公害防止管理者とは 日本における公害を防止し環境を維持する最前線技術者
公害防止管理者は『特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(昭和46年法律第107号)』別名『公害防止管理者法』で定められた国家資格です。
この法律で、『特定工場』では、公害防止統括者、公害防止管理者、公害防止主任管理者を選任し届出ることが義務づけられており、『特定工場』では必要不可欠な資格なのです。
『特定工場』とは
- 製造業(物品の加工業を含む)
- 電気供給業
- ガス供給業
- エネルギー供給業
のいずれかに属し
- ばい煙発生施設
- 特定粉じん発生施設
- 一般粉じん発生施設
- 汚水等排出施設
- 騒音発生施設
- 振動発生施設
- ダイオキシン類発生施設
- 汚水等排出施設
を設置している工場をいい、設置している公害発生施設の種類、規模によって必要な資格がきまってきます。
公害防止管理者国家資格には全13種類ある 『特定工場』の態様、規模に応じて必要な資格が変わります。
公害防止管理者資格には『特定工場』の態様、規模に応じて、以下のように多くの種類があります。(全13種)
- 大気関係(第1種, 第2種, 第3種, 第4種)公害防止管理者
- 水質関係(第1種, 第2種, 第3種, 第4種)公害防止管理者
- 特定粉じん関係公害防止管理者
- 一般粉じん関係公害防止管理者
- 騒音・振動関係公害防止管理者
- ダイオキシン類関係公害防止管理者
- 公害防止主任管理者
大気関係公害防止管理者とは?
ばい煙発生施設、特定粉じん発生施設、一般粉じん発生施設 のいずれかを設置している『特定工場』では、工場ごとに工場の態様、規模に合致した1人以上の適切な資格(第1種~第4種)の大気関係公害防止管理者を置かなければなりません。
公害防止管理者は、原則複数の工場を兼務できませんから、複数の工場を有する事業場では複数の公害防止管理者が必要になります。
特定工場の態様、規模と必要な大気関係公害防止管理者区分を図示します。複数の資格が記されている区分は、記されている資格のどれかがあればよいことを示しています。
- 第1種大気関係公害防止管理者:どんな態様(有害物質排出の有無)、規模の特定工場でも有効な資格
- 第2種大気関係公害防止管理者:ばい煙排出量が40,000㎥/h未満であれば、有害物質排出の有無にかかわらず有効な資格
- 第3種大気関係公害防止管理者:有害物質を排出しない特定工場で有効な資格
- 第4種大気関係公害防止管理者:ばい煙排出量が40,000㎥/h未満、有害物質を排出しない特定工場で有効な資格
大気関係公害防止管理者の仕事内容 工場にとって公害防止管理者の確保は不可欠な存在です。
大気関係公害防止管理者は、特定工場の公害防止組織で、『公害防止に関する技術的事項』を担当します(法第4条)。
具体的な職務内容は、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則第6条によって、ばい煙発生施設に関しては以下の7項目になっています。
- 使用する燃料又は原材料の検査
- ばい煙発生施設の点検
- ばい煙発生施設において発生するばい煙を処理するための施設及びこれに付属する施設の操作、点検及び補修
- ばい煙量又はばい煙濃度の測定の実施及びその結果の記録
- 測定機器の点検及び補修
- 特定施設についての事故時における応急の措置の実施
- ばい煙に係る緊急時におけるばい煙量またはばい煙濃度の減少、ばい煙発生施設の使用制限、その他の必要な措置の実施
就職・独立
公害防止管理者の主要活躍場所はボイラー等を設置したエネルギーを消費する「製造業・物品加工業」で、具体的には化学工場をはじめ食品や製薬メーカー等の工場が中心です。
これらの工場では、各工場に1人以上の設置が必要な資格であり、工場にとって公害防止管理者の確保は不可欠です。確保できなければ操業できないからです。