エネルギー管理士

この資格について・将来性

エネルギー管理士とは エネルギー管理士は、省エネ対策のスペシャリストとなるための国家資格

エネルギー管理士は、限りある資源を有効に活用することを目的に、省エネ推進のために生まれた国家資格です。

製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の工場(第一種エネルギー管理指定工場)では、燃料を効率的に利用するために、エネルギー管理者を配置することが省エネ法で規定されています。

また、環境保全のために、工場から排出される工場排水や二酸化炭素などの排出量にも規制があり、エネルギー管理が規定値以下となるように指導にあたります。

エネルギー資源の問題は世界的な課題でもあり、日本では省エネ法が施行されるなど、省エネ政策が進んでいます。
このような状況下で、法的にも、企業倫理においても、エネルギー管理士に対する需要は年々上昇しています。

仕事内容について エネルギー管理士の仕事内容は大きく分けて3つ!

エネルギー管理士はエネルギー管理指定工場にとって必要不可欠なので、資格所有者はメリットがたくさんあります。

仕事内容は、省エネ化を推進するための業務が中心となります。

仕事
01

エネルギーの管理と支援

エネルギー利用量を定期的に計測し、収集したデータを元に月次計画や年間計画などの作成や、改善策の提案や指導にあたります。
社内に常駐して業務を行う場合のほか、依頼を受けて顧客先で業務を行う場合もあります。

どのような場所でも、実際の稼働状況を確認し、エネルギー管理の提案と支援をする能力が求められます。

仕事
02

省エネ設備の設計

省エネの専門家として、設備の開発業務に携わります。
エネルギー効率や運用コストのほか、二酸化炭素などの排気量などの試算予測をし、省エネ効率の高い設備開発に参加します。
主に開発の計画段階で必要とされる仕事ですが、開発途中では試作品の効果検証などを担当します。

仕事
03

設備管理業務

設備管理の業務は、資格が必要である場合がほとんどです。
エネルギー管理士も設備管理の業務で必要とされる資格のひとつで、ビルや商業施設のほか、工場などにおいて、熱源設備の定期点検や運転管理などの業務を行います。

比較的、大規模な熱源設備や、ハイスペックな設備でエネルギー管理支援業務を行います。

受験方式 エネルギー管理士の受験方式

受験資格

エネルギー管理士試験には受験資格はありません。しかし、試験合格後に免状申請を行うには資格取得前後に実務経験1年以上が必要とされています。
ここでいう実務とは、エネルギーを消費する設備及びエネルギーの使用の合理化に関する設備の維持並びにエネルギーの使用の方法の改善及び監視が該当します。

熱分野の受験課目

熱分野の受験課目は以下の通りです。

  • ・エネルギーの総合管理及び法規(電気分野と共通)
  • ・熱と流体の流れの基礎
  • ・熱利用設備及びその管理
  • ・燃料と燃焼
電気分野の受験課目

電気分野の受験課目は以下の通りです。

  • ・エネルギーの総合管理及び法規(熱分野と共通)
  • ・電気設備及び機器
  • ・電力応用
  • ・電気の基礎

4課目ともにマークシート方式となっており、各課目60%以上の正解で課目合格となります。

課目合格制度について

試験を受けた年から3年以内に受験をする場合は、今までに合格した科目の受験が免除される課目合格制度があります。

試験日程(2025年版)

2025年度の試験日程は以下の通りです。

  期間
受験願書受付期間 4月7日(月)~6月23日(月)
受験票発送 7月11日ごろより順次発送
試験実施日 8月3日(日)
合否通知書発送 9月下旬(HP上でも掲載)
免許交付申請 試験合格後
※申請の際に1年間の実務経験が必要
免許取得 申請完了後

合格率 エネルギー管理士の合格率

エネルギー管理士の合格率は3割程度で、難易度が高い試験といわれています。

エネルギー管理士合格率平均データ

 

【円グラフ】ソースコードでご覧ください。上のdata-valueの値を変えてお使いください*小数点は使用不可です。この文は実際の画面では表示されません。

エネルギー管理士の 過去5年の合格率

35.5%
年度 総受験者数 合格者数 合格率
2024年度 8,586 3,175 37.0%
2023年度 8,137 3,074 37.8%
2022年度 7,766 2,636 33.9%
2021年度 7,684 2,454 31.9%
2020年度 7,707 2,828 36.7%

将来性 第一種エネルギー管理指定工場に欠かせない資格!

冒頭でも触れた通り、エネルギー管理士は第一種エネルギー管理指定工場には欠かせない資格です。資格を取得させる流れも見られますが、試験は1年に1度しか実施されないため、転職する際に、「今すぐ欲しい」といった企業では、優遇されやすいでしょう。
また、資格免状を取ることにより、就職が有利になったり、社内での手当などが優遇されたりします。難易度が高い資格ですが、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。