有機溶剤は毒性が高い上に揮発性が高く、蒸気となって作業者の呼吸を通して体内に吸収されやすいので、人体に悪影響を与えてしまいます。
このような被害をなくすために、労働者を従事させる場合は有機溶剤業務従事者教育を行うよう規定されています。
この記事では、有機溶剤業務従事者教育の講習時間や、講習を受講できる団体を例にして、少しでも時間がかからない方法をご紹介します。
目次
有機溶剤業務従事者教育の受け方
有機溶剤とは化学物質の一種で、塗装や洗浄、印刷、接着など、幅広い業種で使用されています。
しかし、冒頭で紹介した通り危険性があるため、業務で有機溶剤を使用するためには有機溶剤業務従事者教育の受講をする必要があります。
有機溶剤業務従事者教育の受講方法は、主に下記3つの方法があります。
- 社外で受講する方
- 社内で実施する方法
- Web受講
社外で受講する場合には、お住まいの各都道府県に厚生労働省から登録の指定を受けた講習機関があると思うので、そちらに問い合わせをしてみましょう。有機溶剤業務従事者教育は全国の機関で定期的に実施されていることが多いので、ホームページなどを参照し日程を確認してみましょう。
社内の受講対象者が単独ではなく多数いる場合には、出張講習が便利でしょう。これは担当の講師に来てもらい企業内で受講するという方法です。出張講習はすべての教習機関で実施できるわけではないので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。また、出張講習の場合、通常の料金よりも高めの料金設定となっています。
受講する場所や時間に制約されず、自分の好きな時間に講義を受けたい方は、Web受講がオススメです。Web受講のメリットについては後ほど、詳しく説明致します。
申し込み方法は各教習機関のホームページに掲載されていますが、Web申し込みや、書式をダウンロードしてFAX送信による申し込み、または郵送で送付する方法、窓口での直接申請といった方法があります。教習機関により、FAXもしくは郵送のみで、Web申し込みを受け付けていない場合もあります。
支払い方法についても、各講習期間でそれぞれ異なります。例えば、クレジットカードによる支払いが可能な機関もあれば、あらかじめ指定されている金融機関の口座に振り込みで支払う場合もあります。
申し込み手順はホームページで確認すれば、それほど複雑なものではありません。手順が不明であれば教習機関のお問い合わせフォームからご確認ください。
有機溶剤業務従事者教育にかかる時間は講習によって異なる
有機溶剤業務従事者教育のカリキュラム、時間、受講料金は各教習機関によって異なります。ここからは実際の講習団体を例として、講習内容の特徴を交えて紹介していきます。
株式会社 きらめき労働オフィス
・開催地:全国各地
・受講料:受講者数により料金変動。
・カリキュラムと講習時間:講習時間は計4.5時間
講習科目 | 講習時間 |
---|---|
有機溶剤による疾病及び健康管理 | 1時間 |
作業環境管理 | 2時間 |
保護具の使用方法 | 1時間 |
関係法令 | 0.5時間 |
こちらの教習機関は出張講習がメインとなります。その為、受講料金も受講者数により変動します。料金案内では12名からの料金表示となっていますが、12人未満でも受け付けてくれます。基本的に、個人的な受講を考えている方は別の教習機関を検討しましょう。平日は予定が立てられないという企業でも、相談することで土日でも講習を開催してもらえます。
きらめき労働オフィスには、社会保険労務士等の専門家も在籍しています。その為、労働災害防止、メンタルヘルス・ハラスメント対策など職場の安全衛生管理についても深いアドバイスを聞くことが可能です。
一般財団法人 中小建設業特別教育協会
・開催地:全国各地
・受講料:一人あたり9,515円(テキスト代、消費税込み)
・カリキュラムと講習時間:講習時間は計6.0時間
講習科目 | 講習時間 |
---|---|
有作業環境管理 | 1.5時間 |
作業管理 | 1時間 |
健康管理 | 1.5時間 |
災害事例及び関係法令 | 2時間 |
こちらの協会は、東京会場もありますが全国各地対応の出張講習もあるので、遠方に住んでいる方でも気軽に受講することが可能です。
申し込みはFAXもしくはHP上の専用フォームからの申し込みとなっており、申し込み後に受講料を指定された銀行口座へ支払うという手順となります。
ホームページでは無料WEB教材という項目があり、社内の安全教育で使えるポスターや教材が無料で公開されています。
ご紹介した団体は一部ですので、他にも調べると受講できる団体はあります。
自分が住んでいる地域、受講可能な日程、受講費用などをあらかじめ把握した上で受講するようにしましょう。
有機溶剤業務従事者教育の時間短縮にはWeb講座がおすすめ
ここまで教習機関をご紹介しましたが、有機溶剤業務従事者教育をでき限り早く受けたい方や、場所を選びたくないという方であれば、Web講座をオススメします。
Web講座はあらかじめ収録された講習動画をパソコンやスマホ、タブレットで視聴可能なので、ご自宅や外出時など場所を問わず好きなところで学習を進めることができます。場所や時間に制約されないので、せっかくの土日休みを講習で埋めてしまうということもありません。
業務中のちょっとしたスキマ時間など、自分の空いている時間をいつでも活用できます。
対面式の講習と違い、4.5時間~6時間といったまとまった時間を取る必要もありません。
自分の好きなペースで学べるので、集中力が続かない人でも安心です。
料金面から見ても、SATの通信講座では8,800円(税込/アプリ版修了証価格)とかなり安いです。自由に講座を受けられてサポートも充実していてこの値段ですので、受講するメリットは大きいのではないでしょうか。
また上記の価格はスマートフォンアプリ版の修了証の発行になります。スマートフォンのアプリで修了証を管理できるので、プラスチックカードのような紛失の心配もありません。もちろん、アプリの修了証は労働局の認可も得ています。
もちろんプラスチックカード版の修了証も発行可能です。こちらは9,350円(税込)となっています。こちらではカードタイプの修了証に加えて、アプリの修了証も付属しています。
自分にあった修了証を選んで、Web講座の受講を検討してみてください。
効率よく有機溶剤業務従事者教育を受講しよう
有機溶剤業務従事者教育が受講できる団体と少しでも時間をかけない方法について紹介してきました。それぞれの講習機関により、時間、料金、開催地など違ってきます。どうしても出張講習となるとみんなと同じ時間で学ぶ必要があります。
ですが、Web講座であれば講習会場まで行く時間も不要ですし、自分の好きな時間に受講できます。
少しでも時間をかけずに有機溶剤業務従事者教育を受講したいという方は、Web講座も視野に入れてみてはいかがでしょうか。