建設業や製造業などで新たに職長になる場合、職長・安全衛生責任者教育の受講が労働安全衛生法で定められています。
また、職長教育の受講は1回でおわりではなく、所定の年数や必要に応じて、各都道府県で開催される「職長再教育」の受講が推奨されています。
この記事では、全国で職長再教育を開催する各種機関、職長再教育の目的やカリキュラム、また場所を問わずいつでも受講可能な通信講座のメリットなどについて解説します。
目次
職長再教育を開催している機関について
職長再教育は、建設関係の特別教育などを実施する各協会、建設機械の教習所などで開催されています。
職長再教育は建設業と製造業でカリキュラムが異なります。職長再教育を受講する際には、まず自分の業種に対応しているか確認しましょう。
職長再教育(能力向上教育)が受講できる全国の機関を地域別で紹介
全国で職長再教育(能力向上教育)を受講できる機関や団体を地域別に紹介します。詳細の開催日時や場所については、各リンク先よりお問い合わせください。
なお職長再教育は建設業向けのみの開催や、製造業向けのみの開催、またその両方の場合があります。一部の出張講習形式で行なっているところがあります。
また講習の名称も「能力向上教育」や「再教育」など少し違うこともあるので、内容を各講習機関等に問い合わせるなどしてよくお確かめください。
【職長再教育(能力向上教育)】北海道・東北地方で受講する
北海道・東北地方で職長再教育を実施している主な機関は以下の通りです。
No. | 北海道・東北地方で職長再教育を実施する主な機関 |
---|---|
1 | 中央労働災害防止協会 北海道安全衛生サービスセンター(北海道) |
2 | 旭川地方労働基準協会(北海道) |
3 | 中央労働災害防止協会 東北安全衛生サービスセンター(宮城県) |
4 | 公益財団法人 岩手労働基準協会(岩手県) |
5 | 一般社団法人 郡山労働基準協会(福島県) |
【職長再教育(能力向上教育)】関東地方で受講する
関東地方で職長再教育を実施している主な機関は以下の通りです。
No. | 関東地方で職長再教育を実施する主な機関 |
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1 | 一般社団法人 労働技能講習協会(東京都) |
2 | 一般社団法人 東京技能者協会(東京都) |
3 | 公益社団法人 神奈川労務安全衛生協会(神奈川県) |
4 | 建設業労働災害防止協会 千葉県支部(千葉県) |
5 | 株式会社 安全衛生推進会 南浦和教育センター(埼玉県) |
6 | 一般社団法人 茨城労働基準協会連合会(茨城県) |
7 | 技術技能講習センター(関東各所) |
【職長再教育(能力向上教育)】中部地方で受講する
中部地方で職長再教育を実施している主な機関は以下の通りです。
No. | 中部地方で職長再教育を実施する主な機関 |
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1 | 中央労働災害防止協会 中部安全衛生サービスセンター(愛知県) |
2 | 一般社団法人 名古屋南労働基準協会(愛知県) |
3 | 一般社団法人 浜松建設業協会(静岡県) |
4 | 建設業労働災害防止協会 新潟県支部(新潟県) |
5 | 建設業労働災害防止協会 石川県支部(石川県) |
6 | 建設業労働災害防止協会 富山県支部(富山県) |
【職長再教育(能力向上教育)】近畿地方で受講する
近畿地方で職長再教育を実施している主な機関は以下の通りです。
No. | 近畿地方で職長再教育を実施する主な機関 |
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1 | 建設業労働災害防止協会 大阪府支部(大阪府) |
2 | 新大阪労働安全教習所(大阪府) |
3 | 建設業労働災害防止協会 兵庫県支部(兵庫県) |
4 | 建設業労働災害防止協会 京都府支部(京都府) |
5 | 一般社団法人 奈良県建設業協会(奈良県) |
6 | 一般社団法人 滋賀県建設業協会(滋賀県) |
【職長再教育(能力向上教育)】中国・四国地方で受講する
中国・四国地方で職長再教育を実施している主な機関は以下の通りです。
No. | 中国・四国地方で職長再教育を実施する主な機関 |
---|---|
1 | 建設業労働災害防止協会 広島県支部(広島県) |
2 | 公益社団法人 広島県労働基準協会(広島県) |
3 | 建設業労働災害防止協会 岡山県支部(岡山県) |
4 | 建設業労働災害防止協会 鳥取県支部(鳥取県) |
5 | 建設業労働災害防止協会 香川支部(香川県) |
6 | 公益社団法人 愛媛労働基準協会(愛媛県) |
【職長再教育(能力向上教育)】九州・沖縄地方で受講する
九州・沖縄地方で職長再教育を実施している主な機関は以下の通りです。
No. | 九州・沖縄地方で職長再教育を実施する主な機関 |
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1 | 一般社団法人 福岡経営者労働福祉協会(福岡県) |
2 | 一般社団法人 大分県労働基準協会(大分県) |
3 | 一般社団法人 長崎県労働基準協会(長崎県) |
4 | 建設業労働災害防止協会 沖縄県支部(沖縄県) |
5 | 一般社団法人 労働安全衛生推進協会 福岡労働局(九州各地) |
職長再教育の内容
続いて職長再教育の概要・目的とともに、建設業と製造業のカリキュラムを見ていきます。
職長再教育の概要と目的
職長再教育は、「職長等に対する能力向上に準じた教育」とも呼ばれます。
職長再教育の対象者は、建設業および製造業などに従事し、職長・安全衛生責任者教育を受講した人です。職長再教育は安全衛生教育推進要綱で定められており、職長・安全衛生責任者の初任から5年ごと、または機械設備の大幅な変更時に事業者が受講させることを推奨しています。
職長再教育により、労働者への指導監督の能力を向上させ、労働災害の防止につとめることがおもな目的です。
職長再教育のカリキュラム
建設業・製造業における職長再教育のカリキュラムの内容、受講時間は次のとおりです。
【建設業】職長再教育のカリキュラム | ||
---|---|---|
科目 | 範囲 | 時間 |
職長等及び安全衛生責任者として行うべき労働災害防止に関すること | 建設業における労働災害発生状況 労働災害の仕組みと発生した場合の対応 作業方法の決定及び労働者の配置 作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法 異常時等における措置 安全施工サイクルによる安全衛生活動 職長等及び安全衛生責任者の役割 | 120 分 |
労働者に対する指導又は監督の方法に関すること | 労働者に対する指導、監督等の方法 効果的な指導方法 伝達力の向上 | 60 分 |
危険性又は有害性等の調査等に関すること | 危険性又は有害性等の調査の方法 設備、作業等の具体的な改善の方法 | 30 分 |
グループ演習 | 以下の項目のうち1以上について実施すること。 • 災害事例研究 • 危険予知活動 • 危険性又は有害性等の調査及び結果に基づき講ずる措置 | 130 分 |
引用:厚生労働省「建設業に従事する職長及び安全衛生責任者の能力向上教育に準じた教育カリキュラム」
【製造業】職長再教育のカリキュラム | ||
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科目 | 範囲 | 時間 |
職長等として行うべき労働災害防止及び労働者に対する指導又は監督の方法に関すること | 1:基本項目(必須) (1)職長等の役割と職務 (2)製造業における労働災害の動向 (3)「リスク」の基本的考え方を踏まえた職長等として行うべき労働災害防止活動 (4)危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき 講ずる措置 (5)異常時等における措置 (6)部下に対する指導力の向上(リーダーシップなど) (7)関係法令に係る改正の動向 | 120分以上 |
2:専門項目(選択) (1)事業場における安全衛生活動 (2)労働安全衛生マネジメントシステムの仕組み (3)部下に対する指導力の向上(コーチング、確認会話など) | 必要な時間 | |
グループ演習 | 以下の項目のうち1以上について実施すること。 ・ 職長等の職務を行うに当たっての課題 ・ 事業場における安全衛生活動(危険予知訓練など) ・ 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講 ずる措置 ・ 部下に対する指導力の向上(リーダーシップ、確認 会話など) | 120 分以上 |
合計 | 360分以上 |
引用:厚生労働省「製造業における職長等に対する能力向上教育に準じた教育について」
職長再教育を通信講座で受講するメリット
職長再教育は協会などの講習会のほかに、通信講座で受講することも可能です。職長再教育を通信講座で受講するメリットには、以下が挙げられます。
受講に時間と場所を選ばない
通信講座は動画と専用のテキストで勉強するため、会場に行く手間が省け、いつでもどこでも勉強できます。
プロの講師が解説する動画と、動画の内容に沿ったテキストは、過去の受講者の方からもわかりやすいと評判です。講習会の受講は1日がかりになるため、多忙な方には通信講座が最適でしょう。
なお、グループ演習はZOOMで参加でき、自宅や職場など場所を選ばず受講できます。
ZOOMで参加するには顔認証が必要ですが、カメラ付きスマホやWebカメラに接続されたPCがあれば問題ありません。
製造業向けカリキュラムも受講可能
職長再教育の講習会は建設業と製造業に分かれますが、建設業向けを実施する協会が多いのが実情です。製造業の安全衛生責任者の場合、まとまった人数が必要な「出張講義」のみ実施するケースも見受けられます。
一方、通信講座は建設業に加え、製造業向けのカリキュラムも選択できます。
会社で出張講義ができずに1人で受講する方や、製造業の職長再教育を実施する会場が近くにない方こそ、通信講座を活用しましょう。
職長再教育は、通信講座での受講可能がおすすめ!
建設業と製造業に従事している人は、職長や安全衛生責任者の初任から5年ごと、または機械設備の大幅な変更時に職長再教育を受講しなければなりません。
職長再教育を通して、労働者に対する指揮監督の能力を向上させ、労働災害を防止することが職長再教育の目的です。
職長再教育には、大きく分けて建設業と製造業があり、全国のさまざまな講習機関で開催されています。
協会などで実施される講習会は予約が埋まっていたり希望の日程に開催されていないこともあるので、受講には通信講座がおすすめです。ZOOMによるグループ演習が可能で、自宅や職場などオンラインに接続できる環境であればどこでも職長再教育を受講できます。
講習会に参加する時間がとれなかったり、自宅や職場等で好きな時間に受講したい場合は、通信講座を上手に活用しましょう。