公害防止管理者

公害防止管理者大気【1種】とは?合格率や難易度も解説

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公害防止管理者は、公害の原因になる有害物質や騒音などを排出する特定工場で、公害防止の検査などを行う資格です。公害防止管理者は公害の原因ごとに資格が分かれており、大気関係はおもに、大気汚染になりうる有害物質を排出する工場に選任できる資格区分になります。

なかでも大気第1種は受験者が多い傾向にあり、試験の難易度や合格率などが気になる方も多いでしょう。

今回は、公害防止管理者の基礎知識を踏まえ、大気第1種の合格率、科目ごとの難易度について解説していきます。

公害防止管理者の大気第1種とは?

公害防止管理者資格の目的、第1種と2種~4種の違いについて見ていきましょう。

公害防止管理者資格の基礎知識

戦後日本は、経済成長で産業が大きく発展した反面、さまざまな公害問題を抱えることになります。このような状況のなか、1971年に制定された「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(法律第107号)」により、公害防止管理者資格制度が新設されました。

特定工場とは、事業内容が製造業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業のいずれかで、かつ粉じん・ばい煙・汚水・騒音・振動・ダイオキシンなどを発生する施設を有する工場です。

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公害防止管理者は、国家試験に合格、または公害防止管理者等資格認定講習の受講・修了試験の合格で習得できます。

なお、公害防止管理者は、公害の原因ごとに以下13の試験区分があります。

No.公害防止管理者の試験区分
1大気関係第第1種公害防止管理者
2大気関係第2種公害防止管理者
3大気関係第3種公害防止管理者
4大気関係第4種公害防止管理者
5水質関係第第1種公害防止管理者
6水質関係第2種公害防止管理者
7水質関係第3種公害防止管理者
8水質関係第4種公害防止管理者
9騒音・振動関係公害防止管理者
10ダイオキシン類公害防止管理者
11特定粉じん関係公害防止管理者
12一般粉じん関係公害防止管理者
13公害防止主任管理者

出典:一般社団法人 産業環境管理協会

大気第1種と2種・3種・4種の違い

大気関係の公害防止管理者資格は、1~4種の区分があります。この区分は選任できる施設の範囲の差によるものです。

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第1種は全ての大気関係公害発生施設で選任が可能で、第2種~第4種は選任できる施設が限られます。

大気関係の区分で選任できる、公害発生施設の区分は次のとおりです。

公害発生施設の区分公害防止管理者等の種類選任ができる資格者の種類
カドミウム・その化合物、塩素・塩化水素、ふっ素・ふっ化水素・ふっ化けい素、鉛・その化合物を発生する施設(大気関係有害物質発生施設)で、排出ガス量が1時間当たり4万立方メートル以上の工場に設置されるもの。大気関係第第1種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者
大気関係有害物質発生施設で、排出ガス量が1時間当たり4万立方メートル未満の工場に設置されるもの。大気関係第2種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者
大気関係第2種有資格者
大気関係有害物質発生施設以外のばい煙発生施設で、排出ガス量が1時間当たり4万立方メートル以上の工場に設置されるもの。大気関係第3種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者
大気関係第3種有資格者
大気関係有害物質発生施設以外のばい煙発生施設で、排出ガス量が1時間当たり1万立方メートル以上4万立方メートル未満の工場に設置されるもの。大気関係第4種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者
大気関係第2種有資格者
大気関係第3種有資格者
大気関係第4種有資格者

出典:一般社団法人 産業環境管理協会

なお、ばい煙とは一般的に燃料の燃焼で発生する煙や煤(すす)のことですが、 1968年に制定された「大気汚染防止法」においては、「硫黄酸化物」「ばいじん」「有害物質」であると定義されています。

公害防止管理者試験大気第1種の合格率と難易度

公害防止管理者大気第1種の国家試験の合格率と、試験科目ごとの難易度を紹介します。

大気関係の合格率から見る難易度

2019(令和元)年度~2023(令和5)年度における公害防止管理者の合格率において、大気関係第1種~4種の合格率は次のとおりです。

2019(令和元)年度~2023(令和5)年度の大気関係公害防止管理者の合格率
試験区分2019年度2020年度2021年度2022年度2023年度
大気関係
第1種
23.5%23.6%26.2%28.0%19.1%
大気関係
第2種
17.5%21.0%25.9%28.2%23.3%
大気関係
第3種
14.2%19.4%18.8%18.4%10.8%
大気関係
第4種
13.0%17.8%15.8%19.2%10.1%

出典:一般社団法人 産業環境管理協会

第2種~第4種と第1種の合格率を比較すると、第1種の合格率がやや高い傾向にあります。

受験科目は、2種・3種が5科目、4種は4科目のところ、第1種は6科目と最多です。科目数が多い第1種の合格率が高いのは、科目別合格制度が関係していると考えられます。

科目別合格制度とは、合格した科目が3年以内は免除になる制度で、うまく活用すれば数年かけて資格を習得することができます。

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つまり、大気第1種は一発合格を狙うよりも、科目ごとの合格を目指すのが効率的な受験方法といえるでしょう。

まずは第4種の合格から目指す方法もあり

科目合格制度は、合格した科目が3年以内であれば受験免除になる制度ですが、逆にいえば3年以上経過してまうと最初から受験を行う必要があります。

しかし、こういったことにならないための手段があります。それは大気関係の第4種から先に受験することです。

大気関係第4種の受験科目です。もし大第4種を先に合格してから第1種を受験する場合、第4種の4科目は受験が免除されます。しかも、受験免除期間は合格年を含めて3年間ではなく無期限になります。

ただし、公害防止管理者の試験は年に1回しか実施されません。第1種の受験を行うためには1年間待つ必要があるのでご注意ください。

試験科目ごとの難易度

大気第1種で受験する6科目の試験科目と、具体的な難易度を紹介します。

公害総論

全ての試験区分で受験する公害総論は、環境基本法をもとにした法律問題、環境時事問題、国際環境協力など、公害に関する幅広い知識が問われる試験です。難易度としては比較的簡単なので、暗記や過去問の演習で対策できるでしょう。

大気概論

大気汚染防止法、大気汚染の現状、健康被害などについて問う試験です。概論の言葉どおり、難易度は易しいため、過去問をくり返し解くとよいでしょう。

大気特論

大気特論は、大気汚染の原因になる燃料、燃焼方法、燃料の計算、窒素酸化物排出防止技術など、幅広い範囲から出題されるため、難易度は高めです。特に、燃焼の計算問題は合否を左右するといっても過言ではありません。

ばいじん・粉じん特論

ばいじん・粉じん特論は、大気第1種の試験科目のなかでもかなり難易度が高いとされています。ばいじん・粉じんの処理方法、集じん装置の特性や管理方法など、多くの人にとってあまり馴染みのない問題が出題されるためです。時間をかけて学習を進めていきましょう。

大気有害物質特論

大気汚染の原因となる物質の特性、発生する過程、処理方法、測定方法などが問われる科目です。大気汚染になる物質はカドミウムや塩化水素、フッ素など数が限られているため、そこまで難易度は高くないといえます。

大規模大気特論

特論のなかでも、難易度が高く感じられる科目です。大気汚染は国際的な問題のため、地球規模での理解が求められます。

公害防止管理者大気第1種は、通信講座での勉強がおすすめ

自慢のSAT教材の内容をぜひご確認ください。

公害防止管理者国家試験はどの科目も範囲が広く、問題数が少ないため、重要項目を押さえた効率的な勉強が大切です。

しかし、市販の書籍や問題集で独学していると、モチベーションが保てなかったり、効率的な勉強法がわからなかったりします。

そこでうまく活用したいのが、通信講座です。通信講座では動画とテキストを使い、重要な項目を押さえたカリキュラムで学習できるため、独学よりも効率的に実力をつけることが可能です。

動画や音声でも勉強できるので、通勤や休憩中などのスキマ時間も有効に使えます。要点を押さえたテキストは、過去問で間違えた問題を確認するときにも使うことができ、過去問の理解度がより深まるでしょう。

公害防止管理者大気第1種は、効率的に勉強して合格を目指しましょう

公害防止管理者大気第1種は、大気汚染になる有害物質を発生する全ての施設に選任できる資格です。

大気第1種の合格率は20~30%程度の試験ですが、科目別合格制度を活用すれば数年かけて資格を取得できます。また先に第4種から取得してしまうという方法もあります。

大気第1種で受験する6科目は、それぞれ難易度や問題数が異なり、独学での幅広い対策にハードルの高さを感じる方もいるでしょう。

どの科目も出題範囲が広いため、通信講座を利用した効率的な勉強法も検討してみてください。要点を押さえたテキストと動画による勉強は、スキマ時間も利用でき、仕事との両立にも役立ちます。

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公害防止管理者は難易度が高い試験ですが、地道な勉強で合格できる試験です。通信講座を上手に活用し、公害防止管理者資格の習得を目指しましょう。

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