建築施工管理技士

【2024年版】1級建築施工管理技士【第二次検定】の出題傾向は?

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1級建築施工管理技士には第一次検定と第二次検定の2つの試験があります。どちらも合格することで、1級建築施工管理技士としての資格を得ることができます。

第一次検定では全ての問題がマークシート式の試験でしたが、第二次検定には記述式で解答する問題が多く出題されます。

そこで今回は、1級建築施工管理技士の第二次検定の概要や対策方法を解説していきます。

【2024年版】1級建築施工管理技士免許取得の流れ

第二次検定(実地試験)の概要に入る前に、1級建築施工管理技士の試験の流れを整理します。第二次検定が全体の中でどのような位置づけなのかを確認する参考にしてください。

1級建築施工管理技士の試験は大きく2つに分かれています。

はじめに受験するのが第一次検定(学科試験)です。第一次検定は、マークシート方式で解答するのが特徴です。

2024(令和6)年度の第一次検定7月21日(日)に実施、合格発表日は約1か月後の8月23日(金)です。

そして、第一次検定を合格した人だけが受けられる試験として「第二次検定(実地試験)」があります。第二次検定は、施工管理法に関する試験で、記述式の解答が中心になります。

この2つの試験に合格することではじめて、1級建築施工管理技士となることができます。

2024(令和6)年度の第二次検定10月20日(日)に実施、合格発表日は令和7年1月10日(金)です。

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ちなみに、それぞれの試験の合格率は、2023(令和5)年度で第一次検定が41.6%で、第二次検定が45.5%となっています。

1級建築施工管理技士【第二次検定】とは?

出題内容

ここでは実際に第二次検定の出題内容を問題ごとに解説していきます。

ここで紹介するのは、過去問をもとにした問題例です。試験の年度ごとにパターンや内容は変わる可能性があるので注意してください。

第二次検定出題内容

問題全体は問題6問で構成されており、試験時間は180分です。

はじめにも紹介したように、問題1から問題4までは記述式の試験となっています。問題5と問題6は五肢択一式で解答します。つまり、5つの選択肢の中から正解だと思うものを1つ選んで解答するという方式です。

問題1 施工経験

あなたが実際に経験した施工経験について、工事名や工事場所、工期などを含めて具体的に記述していく問題です。

テーマの例としては、施工の合理化に関することがあります。そのほかにもいくつかのパターンから出題されることが多く見受けられます。

問題2 仮設物・安全物の計画

各小問について、留意点とともに検討すべきことを記述していきます。特に実際の現場で作業されている方は、それらの経験が活かされると思います。

問題3 躯体工事

ここでは、問題2のような留意点を記述していく場合と、小問中の誤りを指摘していく場合の2パターンがあります。試験の実施年によってどちらかが出題されます。

問題4 仕上げ工事

問題3のように、留意点か誤り指摘の2パターンの形式で出題されていることが多く見受けられます。

問題5 施工管理

ネットワーク工程表やバーチャート工程表に関する問題が出題されます。これまでバーチャート工程表の出題が多く、ネットワーク工程表に関する出題は少ない傾向があります。こちらの問題は五肢択一式で解答します。

問題6 法規

建築業法などをはじめとした法規について、空所を補充する問題が出題されます。こちらも五肢択一式での解答となります。

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以上のような出題内容を3時間で解かなければならないため、万全の対策で試験に臨む必要があるといえるでしょう。

合格率

ここでここ数年間の1級建築施工管理技士の第二次検定の合格率を見てみましょう。

1級建築施工管理技士 第二次検定 合格率
試験実施年度受験者数合格者数合格率
2019(令和元)年度15,876人7,378人46.5%
2020(令和2)年度16,946人6,898人40.7%
2021(令和3)年度12,813人6,708 人52.4%
2022(令和4)年度13,010人5,878人45.2%
2023(令和5)年度14,391人6,544人45.5%

先ほども合格率に関して少し触れましたが、実は第二次検定をはじめとした1級建築施工管理技士の試験は、年度によって合格率のばらつきがあります。表にもある通り、2021年度は52.4%でしたが、その前年の2020年度は40.7%です。

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実施年度によっては40%を下回る場合もありますので、油断せずに試験に挑むようにしましょう。

【令和6年度より改正】受験資格

1級建築施工管理技士を受験するためには、受験資格を満たす必要があります。実は令和6年度より、施工管理技士の受験資格について大きな変更がありました。

1級建築施工管理技士の新しい受験資格は以下になります。

【令和6年度以降】1級建築施工管理技士 受験資格
第一次検定第二次検定
19歳以上
(試験実施年度末において)

① 1級一次検定合格後
・実務経験5年以上
・特定実務経験を含む実務経験3年以上
・監理技術補佐としての実務経験1年以上

② 2級第二次検定合格後
・実務経験5年以上
(1級第一次検定合格者に限る)
・特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上(1級第一次検定合格者に限る)

令和5年度以前は、まず第一次検定を受験するために実務経験が最低でも3年間必要でした。そして実務経験の年数は学歴によって決まるという仕組みでした。

しかし、令和6年度以降は試験実施年度に19歳以上であれば、学歴に関係なく受験できるようになりました。

第二次検定においても学歴によって規定された実務経験年数が必要でしたが、学歴ではなく1級または2級合格後からの年数になっています。

なお特定実務経験とは、請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者(監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として 行った経験のことを言います

出典:国土交通省

1級建築施工管理技士【第二次検定】の出題傾向は?

ここでは、第二次検定の出題傾向をさらに細かく見ていきます。要となる施工体験記述問題と、その他の問題にわけて解説していくので参考にしてください。

第二次検定の出題傾向

建築工事における施工体験記述問題

問題1で出題される施工体験記述では、大きく3つのテーマが出題される傾向にあります。

  • 1つ目は工程管理です。施工の合理化などに関する問題を経験に基づいて回答します。
  • 2つ目は品質管理です。ここでは、品質管理に関わる留意点などを経験に即して記述します。
  • 3つ目は、建設による副産物への対策についてです。環境対策と言い換えてもよいでしょう。
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これら3つが多く取り扱われているテーマとなっており、それぞれの視点で事例を振り返っておくことが大切です。また、過去の傾向をつかむためにも過去問題に取り組むのがおすすめです。

最近では、3つのテーマを横断する形の問題が出題されたこともあります。そのため、それぞれのテーマについて自分なりの経験談と留意点などを考えておく必要があります。

また、工事名などを書く場面もあるため、自分が経験している工事を日時とともに覚えておくことも求められます。

そして、事例は複数必要な場合がある点にも注意が必要です。施工体験記述問題は以上のような内容といえます。

穴埋め、語句説明などの記述問題

問題で指定されたキーワードに関する検討事項や留意点を記述する問題もあります。これは具体的に検討事項などを考えるため、穴埋め問題よりは難易度があがるでしょう。

主に、仮設物に関する留意事項や、災害ごとの留意事項などが近年の傾向となっています。 さらに、誤りを指摘したり、訂正語句を書いたりする問題も出題されます。

誤りの可能性がある場所は、各設問につき3カ所用意されています。 そこから1つ誤りのものを選び、訂正語句を書くという形式での回答方法です。

最後に、記述問題の中ではハードルの高い論述問題も出題されています。 論述問題では、指定の工法や提示された工程表に関する論述が取り扱われる傾向にあるようです。

以上のように、記述問題にもさまざまなパターンがあります。過去問を通じて形式に慣れておくのがおすすめです。

1級建築施工管理技士【第二次検定】の勉強の進め方は?

最後に、第二次検定の効果的な勉強方法について2つに分けて紹介していきます。

過去問題を繰り返し解く

効果的な勉強方法は、とにかく過去問を解くことです。

過去問は試験で実際に出された問題でもあるので、繰り返し解くことで問題形式や時間配分についての対策もできます。

また施工体験記述問題などは、はじめて問題を解くときにはうまくまとめられないこともあるでしょう。 そのような場合には、回答例の軸を踏まえながらじっくりと回答をつくってみるのがおすすめです。

「その場でできなかったから」と解きっぱなしにするのはおすすめしません。自分なりに記述ができると、自信もつく上に類似問題に対応できる力もつくでしょう。

過去問題は試験実施団体のサイトやインターネット上でも入手できます。しかし、確実な情報や回答例が欲しい場合には、書籍を購入して取り組むのがおすすめです。

添削をしてもらう

また、過去問を解いて自分で答えを確かめるだけでなく、添削をしてもらうのがおすすめです。

「自分なりにはよくかけている」と思っていても、他の人から見ると要素が欠けている場合もあります。

すでに資格を持っている人や、添削サービスを受けてフィードバックをもらうとよいでしょう。 ただし、添削を何度も受けただけでは合格に結びつかない可能性もあります。

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さらに確実に合格を目指すのであれば、フィードバックのポイントを受けて、ふたたび問題を解くとよいでしょう。すると、添削してもらったものが、より自分の力になります。

1級建築施工管理技士は独学で取得できる?

ここまで勉強の進め方を解説してきましたが、1級建築施工管理技士は独学で取得できるのでしょうか。まずは独学ではなく専門学校で勉強する場合を見ていきましょう。

専門学校に通う場合

専門学校に通えば、合格できる力が身に付くようカリキュラムが組まれた授業を受けられます。塾講師は教えのプロですから、理解しづらい項目も分かりやすく教えてくれるでしょう。

独学ではモチベーションが保てない場合や、分からないことが大すぎて誰かの助けが必要な場合はメリットが大きいでしょう。

また、専門学校に通っていれば、分からないことができてもすぐに質問ができます。分からないことが分からないままになってしまわないので、確実に理解を積み重ねることもできるでしょう。

一度の試験で必ず合格したい方も、専門学校に通えば確実に力が身に付きます。一緒に試験を受ける仲間も大勢いるので、モチベーションも保ちやすいでしょう。

通信講座を使う場合

自慢のSAT教材の内容をぜひご確認ください。

通信講座は、専門学校と独学の中間のような勉強方法です。勉強自体は独学で行ないますが、分からないことがあればメールなどで質問できます。

また、教材も最新の試験内容に基づいて作られているので、「教材が古すぎて役に立たなかった」ということもありません。

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専門学校に通う時間がない、もしくは通える範囲に専門学校がない場合は通信講座を利用してみましょう。

参考書を使った独学と違い、質問できるので分からないことが分からないままになることもありません。

動画教材がある通信講座もある

近年の通信教材は、ブック形式だけでなく動画教材も豊富です。

動画教材とは、専門学校で受けるような授業を収録したもので、家にいながら専門学校のような授業を受けられます。ブック形式の参考書より、理解がしやすい方もいるでしょう。

動画教材はDVD方式とストリーミング方式があり、ストリーミング方式ならばスマホやタブレットでも視聴できます。

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好きな時間に好きなところを勉強できるので、自分のペースで勉強しつつ専門学校に通っているような勉強をしたい方にオススメです。通勤や通学途中でも勉強ができます。

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