労働安全衛生規則等の一部改正によって、リスクアセスメントが義務付けられている化学物質を扱う事業場において、令和6年4月1日から化学物質管理者の選任が必須となりました。
化学物質管理者になるためには、化学物質管理者講習を受講する必要があります。実は、講習の受け方は、オンライン形式と講習会形式の2種類あります。
この記事では化学物質管理者講習の受講方法や、2つの形式の違いについて解説します。
目次
化学物質管理者講習には2種類ある
冒頭にて化学物質管理者講習の受け方は講習会形式とオンライン形式の2種類あると解説しました。
しかし、そもそも化学物質管理者講習自体にも取扱事業場向けと製造事業場向けの2種類の講習が存在します。
つまり、講習自体は2種類あり、講習の受け方も2種類あります。
まずはこの2つの講習の内容について解説いたします。
化学物質管理者講習【取扱事業場向け】
まずは、取扱事業場向けとしての化学物質管理者講習です。
取扱事業向けの講習は、「リスクアセスメント対象物を製造はしないが、取扱いは行う」という事業場に必要な講習です。製造にも関わる場合は、製造事業場向けの講習を受講する必要があります。
なお、一般消費者の生活用製品のみを取り扱うような事業場に関しては受講の対象にはなりません。
取扱事業場向けの講習は、6時間の学科講習です。実習はありません。6時間で行うので、講習会の場合は1日で終わるケースがほとんどです。
なお、取扱事業場向けの講習は、開催する機関や団体によっては「化学物質管理者講習に準ずる講習」として名称で行っている場合もあります。
化学物質管理者講習【製造事業場向け】
もうひとつの化学物質管理者講習が製造事業場向けの講習です。
こちらは名前の通りリスクアセスメント対象物の「製造そのもの」に関わる事業場が対象となります。製造自体に関わるので、こちらの方がより多くの危険性があると言えます。
そのため取扱事業場向けよりも専門性の高い知識が必要ですので、取扱事業場向けの講習と比べると講習時間も長くなっています。
具体的には、学科講習は9時間行われます。さらに違うのが、製造事業場向けには3時間の実習があるということです。したがって合計の受講時間は12時間となります。12時間の講習ですので、ほとんどの講習機関では2日間かけて実施されます。
自身の事業場が「取扱事業場」か「製造事業場」かのどちらかをしっかりと確認をして、講習を受講するようにしましょう。
もしどちらか分からない場合は、最寄りの厚生労働省の関係機関等に相談しても良いでしょう。
オンラインと講習会の2種類の受け方について
では、化学物質管理者講習を受けたい場合はどのようにして受講をすれば良いのでしょうか。
ここでは、オンライン形式と講習会形式の2種類の受講方法とそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。
オンライン形式で受講する
オンライン形式のメリット
オンライン形式で受講する場合は、PCやタブレット端末やスマートフォンを使用して、講義動画を視聴します。
オンラインですので、インターネットが接続できる環境であればどこでも受講することが可能です。24時間いつでも受講できるので、受講のしやすさはオンライン形式の大きなメリットと言えるでしょう。
オンライン形式のデメリット
化学物質管理者講習の場合、製造事業場向けの講座はオンライン講習のみで修了することができません。
これは、製造事業場向けの講習では実習があるからです。実習は対面でないと行うことができないため、オンラインで学科講習を受けた後に、別途対面にて実習を受ける必要があります。
化学物質管理者講習をオンラインの講習だけで修了できるのは、取扱事業場向けの講習のみとなります。
いつでも好きな時間に受講できるので、特に取扱事業場向けの講習を受講する場合はオンライン受講がオススメです。
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※製造事業場向けの実習は、各事業所様にて対面式での実施が別途必要です。
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講習会形式で受講する
講習会形式のメリット
化学物質管理者の対面式の講習会は、全国各地の機関や団体で実施されています。主に各都道府県の東堂基準協会などで実施されていることが多いですが、一部の民間企業でも実施されています。
会場に直接出向く必要がありますが、テキストや教材が受講費用に含まれている場合が多く、事前に予習の特に必要ありません。
対面で行う講習会形式のメリットは、製造事業場向けの講習の場合、実習も同時に受講ができることでしょう。
先ほど解説した通り、製造事業場の実習部分はオンライン形式での受講ができないため、必然的に対面形式で受講する必要があります。
実習科目では、実際の現場でのリスクアセスメントの必要性をより深く学ぶことができます。
また化学物質管理者講習は出張講習形式で実施されるケースもあります。これは、社内に講師を直接呼んで講習会を実施するという形式です。出張講習は大人数で受講を行いたい場合に特におすすめです。
講習会形式のデメリット
講習会形式は実際の会場で行われるため、会場ごとに受講できる人数が定められています。もし定員に達した場合は受講することができません。
そのため、もし受講を検討されている場合はなるべく早めに申し込むようにしましょう。
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まとめ:化学物質管理者講習を未受講の方は急いで受講を!
労働安全衛生規則等の一部改正により、令和6年4月1日から化学物質管理者の選任の義務化が開始されています。もしまだ受講義務がある方で受講をされていない方は、急いで受講するようにしましょう。
講習会を受講する場合は参加人数の定員があるので、早めに予約を行うがおすすめです。毎日開催されているわけではないので、次回開催日が数ヶ月先になってしまうケースもありますので注意が必要です。
オンライン講習の場合は定員オーバーになることがなく、すぐに受講できることがメリットです。
また出張講習の場合は出張講師との予定の調整が必要ですが、比較的自由に講習日を設定できます。