これから初めて粉じん作業特別教育を受ける方は、「そもそも何を学ぶのか分からない」、「テストや準備しておくことはあるの?」といった疑問を持っているのではないでしょうか。
この記事では、作業者を守るために作られた「粉じん作業特別教育」についての概要を分かりやすく解説していきます。
記事は3分ほどで読めますので、自分を守るために必要な粉じん作業特別教育についてしっかり理解しましょう。
目次
特定粉じん作業者とは
特定粉じん作業者とは、粉じん作業の中でも、特に危険性の高い現場で作業をする人のことを指します。
粉じん作業が危険といわれるのは、作業を行うことで、じん肺の発症リスクがあるためです。
じん肺とは、粉じんを長期にわたって吸入することで起こる可能性がある肺の病気です。咳や痰といった初期症状から始まり、感染症や気胸などを発症させるリスクもあります。さらに悪化することで、肺がんを患う可能性もある危険な病気です。
粉じん作業特別教育は、上記のようなリスクを避けるための講習であり、作業員を守るためにつくられたものです。
粉じん作業特別教育の対象となる仕事(作業)は下記の通りです。
- 研磨材を用いて岩石、鉱物、金属を裁断する作業
- 研磨剤の製造工程で屋内、混合、または動力を用いて成型する作業
- 岩石や鉱物を動力により裁断したのちに彫ったりして仕上げをする作業
- 坑内にて、セメント、フライアッシュ、粉状の鉱石、アルミニウム、炭素製品を袋詰めする作業
- 砂型を用いて鋳物を製造する工程にて、屋内で型ばらし装置を用いて壊す作業(動力を用いて砂を再生する作業も含む)
これらの業務が粉じん作業特別教育に該当する旨は、労働安全衛生法によって定められています。
粉じん作業特別教育とは?テストはなし!
粉じん作業特別教育とは、粉じん作業の中でも、特に危険とされる現場で作業をする際に必要な教育のことを指します。
例えば、下記のような現場です。
トンネル内:岩を破砕した際に生じる細かいほこりなどが舞う現場
建設現場:コンクリートの細かいほこりが舞う現場
作業場:砥石を使用しての研磨作業で発生する細かい粒子が舞う現場
また、一般的な粉じん作業では、「粉じん作業特別教育」の受講対象にはなりません。
しかし、特定粉じん作業者が行う作業と知っていながら作業を行うことは、法令違反となるので注意しましょう。
特定粉じん作業者になるためのテストはない
特定粉じん作業者になるためのテストはありません。その代わりに、粉じん作業特別教育を履修し、講習を受ける必要があります。
テストがないからといって、粉じん作業特別教育を軽んじるのは危険です。
じん肺は、現代医学でも完全に治すことが難しく、最善とされる治療方法も、いまだ確立されていません。そのため、何よりも予防することが大事になります。
粉じん作業特別教育の講習を受講することで、危険から身を守るための方法を学び、粉じんを吸入することのリスクを把握することができるのです。
それでは、粉じん作業特別教育とは、どのようなカリキュラムで、どのような人が受講対象となるのでしょうか。以下でみていきましょう。
粉じん作業特別教育は合計で4時間30分以上
粉じん作業特別教育は、5つのカリキュラムに分かれており、合計で4時間30分です。
カリキュラムは下記の通りになります。
- 粉じんの発生防止および作業場の換気の方法(1時間)
- 作業場の管理(1時間)
- 呼吸用保護具の使用の方法(30分)
- 粉じんに係わる疾病および健康管理(1時間)
- 関係法令(1時間)
講習自体はそれほど長くはありません。1日あれば受講が完了できるでしょう。しかし、作業場の管理方法や呼吸用保護具の使用方法まで、講義内容は実務で重要になることばかりです。
1コマ1コマを大事にし、確実に自分を守れるようにしておきましょう。
粉じん作業特別教育を受ける方法
粉じん作業特別教育を受講する方法は、労務安全衛生協会が主催する一般の講習会に参加する方法もあります。
しかし、最近ではオンラインでも受講することができる講座があります。
SATの粉じん作業特別教育は、スマートフォンやPCを使って、講義動画を視聴することで受講ができ、受講を完了した証明になる修了証の発行までを一括で行うことができます。
講義動画はあらかじめ収録された動画なため、講習会のように終了時間が延長するといったこともありません。また動画を途中まで見て、別の時間に途中から再生するといったことも可能です。
つまり、スキマ時間に少しずつ受講するといった方法でも可能です。
粉じん作業特別教育は、オンラインでの受講もぜひ検討してみてください。
粉じん作業特別教育の受講はオンラインが便利
この記事では、粉じん作業特別教育についてまとめ、受講方法を紹介してきました。対象となる仕事や講習内容について、ご理解いただけたでしょうか。
先ほど紹介したとおり、粉じん作業特別教育の受講はオンライン形式がとても便利です。
粉じん作業は非常にリスクの大きい仕事です。受講後も、常に危険と隣り合わせであることを忘れないでくださいね。