消防設備士は、建物に存在しているスプリンクラーなどの消防設備を点検・整備するための資格です。そして、消防設備は、消防設備士を保有する資格者でなければ取り扱うことができません。
また、消防設備士といっても非常に多くの種類に分かれており、それぞれ別の機器を点検・整備するための資格となっています。
ここでは、消防設備士の種別ごとの受験資格や勉強方法などについて詳細に触れていきます。
目次
消防設備士の受験資格を知ろう
消防設備士が取り扱う設備は、建物であればどのような場所でも必要なものです。
そのため、全国各地で需要があり、資格を保有者を即戦力として採用を行っている会社も多くあります。加えていえば、消防設備の設置は、消防法で義務づけられており、消防法に反した建物をつくることは不可能となっています。
また、大きく分けると消防設備士は、乙種と甲種でれそれぞれ対応できる業務が異なります。例えば、乙種は、点検と整備を行えるものの工事を行うことはできません。しかし、甲種であればそういった制限はなく工事まで行うことが可能です。そのため、乙種と甲種は受験資格も大きく異なります。
甲種の受験要件は様々なパターンがある
甲種を受験する場合、受験資格を得る必要があります。非常に多くの受験資格を得る方法があるため、代表的なものを紹介してきます。なお甲種の受験資格の詳細は消防試験研究センターの公式HPに記載されています。
消防設備士 甲種 受験資格(実務経験・資格関連の一例)
- 乙種の消防設備士に合格後、2年以上を工事対象となる設備の整備を行っているもの
- 電気工事士に合格しており、合格証明書を保有しているもの
- 第二種か第三種の電気主任技術者を保有しているもの
- 消火設備の工事補助者として5年以上実務経験を有しているもの
- 管工事施工管理技士1級、2級の合格者
- アマチュア以外の無線資格保有者
- 実務経験3年
消防設備士 受験資格(学歴関連の一例)
- 大学、短期学校及び5年制の高等専門学校にて、機械・電気・建築・土木に関する学科を学び卒業したもの
- 高等学校卒業者及び中等教育卒業者のうち、機械・電気・建築・土木に関する学科を学び卒業したもの
- 各種教育法に基づいて、機械・電気・建築・土木に関する事業や科目を15単位以上取得し、講実習を30時間行っているもの
- 理学・工学・農学・薬学で博士号を取得したもの
以上のような規定されています。学科の受験資格を満たすためには、入学する段階で一定の分野を選ぶ必要があります。そのため、学歴による受験資格を満たすことは容易ではないといえるでしょう。
そのため、甲種の消防設備士を取得するほとんどの方は、実務経験を重ねることや関連する試験に合格することが近道だといえます。
甲種の受験資格を最短でとる方法は第二種電気工事士
仕事の幅と年収を上げるためには甲種の資格は取って損はない資格です。消防設備の工事までできることは転職の際にも大きな武器になります。
結論から言いますと、甲種の受験資格を最短で取る方法は、第二種電気工事士の資格を取ることです。 第二種電気工事士があれば受験資格が得られるので、受験資格として設定されている細かい学歴や実務経験は不要になります。
乙種の受験要件は特に無し!
乙種の場合は、特別な受験のための資格は必要ありません。望めば誰もが資格に挑戦し取得することが可能です。そのため、比較的取得しやすく、勤務する企業が取り扱う機器に合わせて受験することをおススメします。
消防設備は7つの種類に分けることが可能です。
- 第1類は屋内・屋外消火栓、スプリンクラー、パッケージ型消火設備(水)
- 第2類は泡消火設備
- 第3類は不活性ガス・ハロゲン化物消化(ガス、粉末)
- 第4類は火災報知器、ガス漏れ火災警報機、共同住宅火災報知設備(水)
- 第5類は避難器具の避難はしごや救助袋
- 第6類は消化器
- 第7類は漏電火災警報器
消防設備士は、それぞれに対応する資格を取得しなければ、点検や保守などの業務はできません。しかし、資格を取得することによって対応する種類の機器を取り扱うことが可能です。
また、第6・7類は甲種にはなく、特類が存在しています。甲種及び乙種の違いを理解したうえで資格を取得していきましょう。加えて、全ての機器を取り扱える資格はないため、1つずつ取得していく必要があります。
受験資格保有者が消防設備士を取得するメリット
ここでは、消防設備士を取得した場合のメリットについてみていきます。業務の幅が広がるだけでなく給料などにも影響があるため、しっかりと確認してみましょう。
昇給につながる
消防設備士を取得することによって、給料に対して手当が支給される場合があります。特に甲種に関しては、受験するためのハードルが高く、甲種を取得しなければ行えない業務も存在しています。そのため、企業によって額は大きく異なるものの、資格手当の支給を望むことが可能です。
消防設備士でなければ行えない仕事がある
消防設備に関する全ての業務は、消防設備士でなければ行うことができません。特にスプリンクラーや自動火災報知機などは、建物や工場に必須です。そのため、全国どこにでも消防設備士の働く場所があります。
また、甲種の資格取得者であれば、設備の点検や保守だけでなく、工事まで行えるため、企業としても人材に対する見方が変わる可能性があります。
関連する資格が取得しやすくなる
消防設備士は乙種であれば、誰でも受験することが可能です。また先ほども解説した通り、乙種を1つでも取得して経験年数を重ねた場合、甲種の受験資格を得ることもできます。
業務に合わせて、類を選択する必要があるものの、1種類の甲種の資格を取得していれば、他の消防設備士に関する資格が知識的にも取得しやすいといえるでしょう。
消防設備士の最適な勉強方法について
消防設備士の勉強方法でおすすめなのが、通信講座を使った勉強法です。ここではSATの消防設備士通信講座を例に紹介します。
SATの通信講座は動画講義教材とテキスト教材で構成されています。どちらも完全オリジナルの教材となっており、動画講義はテキストに沿った形で行われます。
動画講義はEラーニングまたはDVDで閲覧することが可能です。Eラーニングの場合は、インターネットがつながる場所であれば24時間どこからでも視聴することが可能です。通勤電車の中や寝る前の隙間時間といった短い時間でも勉強することができるというメリットがあります。DVD講座はDVD形式で視聴します。動画の内容はEラーニングと全く同じです。
そしてSATの場合、テキストは全てフルカラーのテキストになっています。市販のテキストは二色刷りや三色刷りの教材も多いですが、フルカラーのテキストであれば特に写真や図がとても見やすくなっています。
消防設備士の試験対策をするときは、ぜひ通信講座を検討してみてください。