土木施工管理技士に興味を持たれている方の中には、未経験でも土木施工管理の仕事はできるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと「土木施工管理技士の資格を得るためには実務経験が必要」です。ただし、未経験でも施工管理の仕事に携わることは可能です。
今回は、実務経験の内容を中心に土木施工管理技士の1級、2級それぞれの受験資格ついて紹介します。
目次
土木施工管理技士の受験資格には実務経験が含まれる
土木施工管理技士試験を受験するには受験資格として実務経験を満たしている必要があります。受験資格は1級、2級で異なるため、詳しく解説します。
1級、2級の受験資格【令和6年度から新制度開始】
土木施工管理技士の試験は「第一次検定」と「第二次検定」に分かれています。
第一次検定の受験は実務経験が不要
令和6年度実施の試験から受験資格が改正され、第一次検定に関しては1級と2級両方で実務経験なしで受験できるようになりました。ただし、年齢の制限があり1級では満19歳以上、2級では満17歳以上であることが必要です。
第二次検定の受験は一次合格後に一定年数の実務経験が必要
第二次検定では実務経験が必要になりますが、新制度では実務経験の年数が変更されました。新しい2級土木施工管理技士の第二次検定の受験資格は、2級一次合格後に実務経験3年以上を積むか、1級一次合格後に実務経験1年以上を積めば受験可能です。
1級土木施工管理技士の第二次検定における受験資格に関しては、1級一次合格後の場合であれば監理技術補佐の実務経験1年以上、または特定実務経験を含む実務経験3年以上、その他であれば5年以上の実務経験を積めば受験できます。
未経験から土木施工管理技士を取得する近道は、まずは第一次検定を受験しましょう。第一次検定に実務経験は必要ないので、学生の方の受験もおすすめです。
令和3年度に適用された制度変更について
令和3度の4月にも施工管理技士全般の制度変更がおこなわれました。
この時の制度変更によって、第一次検定の合格者には新規資格である「技士補」が付与されるようになりました。技士補が付与されると第一次検定が免除されて第二次検定を何度でも受験できます。
技士補になると監理技術者の配置義務が緩和されるといったメリットもあるため、土木施工管理技士を目指す方にとっては大きなチャンスといえるでしょう。
1級はもちろん、2級を取得するだけでも多くのメリットを得られるので、積極的に資格取得を狙ってください。
土木施工管理技士の実務経験の例
ではどういった業務が実務経験に該当するのかを見ていきましょう。実務経験に当てはまる例と当てはまらない例をそれぞれ紹介します。
土木施工管理技士の実務経験に当てはまる例
土木施工管理技士の実務経験には、複数の種類があります。
2級の場合は、現場の指揮や監督をした経験があることが求められます。これは、補助者でも構いません。施工図面の作成、作成補助などでも大丈夫です。
1級の場合は、指導・監督の経験が求められます。また、専任の監理技術者による指導を受けた実務経験が2年以上あることも必要です。
このような実務経験は、技士補の資格を取得(=第一次検定に合格)すればよりやりやすいでしょう。
土木施工管理技士の実務経験に当てはまらない例
土木工事にはいろいろな工事があります。例えば、単に現場での雑務や資材の搬入のみといった仕事は実務経験に含まれません。
また、土木工事を行う会社での事務仕事も実務経験には該当しません。建築業許可を得ている会社ならば、実務経験が何であるか理解している社員も多いので、疑問がある場合は尋ねてみましょう。
全国建築研修センターのホームページにも実務経験の内容については詳しく記載されています。なお、勤務形態は問われません。正社員でも派遣社員でもアルバイトでも大丈夫です。
実務経験のウソは厳禁!
実務経験に虚偽の記載が見つかると、施工管理技士の資格が取り消されます。せっかく頑張って勉強して合格しても、それが取り消されれば全てが無駄になります。また、虚偽の内容によっては、経歴にも傷がつく可能性もあるでしょう。
実務経験のチェックは、思っている以上にしっかりと行われます。「少しぐらい」と思ってはいけません。嘘の申請は絶対に辞めましょう。
資格や実務経験がない土木施工管理技士に求められること
建築業界は深刻な人手不足のため、土木施工管理技士の資格や実務経験がなくても、求人があります。ただ、実務経験がなければ、それ以外でアピールできる能力や経験を示す必要があります。
高いコミュニケーション能力
現場では幅広い年齢層の方たちと関わるため、親しくなるコミュニケーション能力だけでなく、他業種の方たちをまとめるリーダーシップや進行管理など高いコミュニケーション能力が求められます。
熱意を伝える
資格や経験がなくても、今後はどのようにしていきたいのか、明確に伝えられるようにしておきましょう。
土木業界は深刻な人材不足と高齢化の問題に直面しているため、長期的な人材確保を推進する企業が増えています。そのため、成長する意欲や長期に渡って土木業界で活躍する熱意を伝えることは重要です。
2級土木施工管理技士の資格を取得する勉強方法
未経験の方は、現場で経験を積みながら2級土木施工管理技士の資格を目指すことがキャリアアップにつながります。
普段の仕事をしながら勉強をするのはとても大変ですが、仕事をしながら勉強するには通信講座がおすすめです。通信講座は学校に通ったりする必要はないため、好きな時間に勉強ができるというメリットがあります。
例えば、SATの土木施工管理技士の通信講座は、講義動画とテキストを用いて学習を進めます。講義動画はDVDやオンラインで視聴します。オンラインで視聴する場合、スマートフォンやタブレット端末を使えば電車の移動時間などでも勉強が可能です。
無料で取り寄せることができるサンプル教材もあるので、勉強を始めようと検討されている方は、ぜひ一度申し込みをされてみてはいかがでしょうか。
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実務経験がなく土木施工の仕事をしたい場合の志望動機は?
実務経験がない状態で土木施工管理の仕事をする際に悩むのが、面接での志望動機ではないでしょうか。
ポイントを抑えて準備すれば、人事担当者の目に留まるはずなので、以下をしっかり抑えておきましょう。
企業研究を徹底的に行う
希望する企業の理念や特色は必ず確認しておきましょう。特色を理解したうえで、企業が求める人材とご自身がいかに合致するかを志望動機に入れるとよいでしょう。
また、なぜ土木施工管理の仕事がしたいのか、なぜ他の企業ではなく、その企業を選んだかについて具体的な経験を踏まえながら話すようにしましょう。
熱意と適性をアピール
熱意を伝えることは基本ですが、ご自身の性格や適性を具体的にイメージできるような志望動機を考えましょう。
自分の性格のどこが施工管理に向いているのか、例えば、コミュニケーション能力や体力、几帳面さなどを絡めて、どんな人物なのかが伝わるようにしましょう。
将来は何ができるか
入社したあとは何ができるのか、ご自身の経験を元に伝えましょう。
例えば、学生時代に野球部のキャプテンなどの経験があれば、「そこで培ったリーダーシップをより磨いて仕事に活かしていきたい」といった感じにまとめることができます。
土木施工管理技士の実務経験に関するまとめ
土木施工管理技士に「実務経験なし」でなることはできる?
土木施工管理技士に実務経験無しでなることはできません。
ただし、1級であれば19歳以上、2級であれば17歳以上で第一次検定の受験は可能です。
第一次検定に合格すると「技士補」の資格を得ることができます。技士補になれば施工管理技士の補助業務に付けるので、実務経験が積みやすくなるでしょう。
実務経験がない土木施工管理技士が現場で求められることは?
実務経験が全くない状態で土木施工管理技士を名乗ることができません。
実務経験がない場合は、とにかく施工管理業務の仕事に就いて施工管理の勉強をしましょう。それが、実務経験となります。
実務経験の規定をクリアできたら第二次検定を受検し、資格取得を目指しましょう。