ダイオキシン類作業従事者になるには、特別教育を受講する必要があります。
資格の取得自体は比較的容易が、行う作業は非常に危険で、作業を行う際にはこの講習が義務付けられています。
もしも、この資格を取得しないで労働者を作業に従事させた場合には、事業者は労働安全衛生規則に基づき罰せられます。
ここでは、ダイオキシン類作業従事者特別教育についてや、具体的な仕事内容を中心に紹介しています。
目次
ダイオキシン類作業従事者特別教育とは?
ダイオキシン作業従事者特別教育は、ダイオキシンが発生する可能性がある作業を行う場合に必須になる資格で、可能な限りダイオキシンへの被爆を防ぐことを目的として作られた資格です。
そのため、ダイオキシンが発生する可能性のある作業がある場合はこの資格が必須になるのです。
ダイオキシンは物質の不完全燃焼によって生じる化合物の総称であり、微量でも中には毒性を持ったものも存在します。
この毒性のあるダイオキシンを体内に取り込んでしまうと、発がん性があるだけではなく、肝臓機能や心筋障害などのあらゆる異常を引き起こします。
特に産業廃棄物を処理する工場などでは、焼却灰扱うことからダイオキシンが発生しやすく、この資格の受講が義務付けられています。焼却炉の保守点検などでにも注意が必要になるため、この資格が必要なのです。
産業廃棄物の中にはプラスチックや銅線などのダイオキシンを発生させやすい物質が、大量に混ざっています。そこで作業者が正しい知識を身に付け、適切な焼却設備で作業に従事すれば、ダイオキシンの被爆は少なくて済むのです。
ダイオキシン類作業従事者の仕事内容
ダイオキシン類作業従事者は具体的にどのような仕事があるのかと言われると意外と思い浮かばないこともあるかもしれません。そこで、ここではダイオキシン類作業従事者の仕事内容について大まかに紹介していきます。
産業廃棄物業
ダイオキシンが最も発生するのはゴミを燃やした瞬間です。そのため、この資格が必要になるのは主に産業廃棄物業者でしょう。産業廃棄物を処理する企業では確実に必要になる資格です。
運ばれてきた産業廃棄物を分けつつ、現場のメンテナンスや効率よく運用するための計画管理なども行います。プラントを止めることなく、24時間稼働させるために必要なのです。
解体業者
廃棄物の焼却施設を解体する場合はダイオキシンが発生するため、焼却施設をを安全に解体するためにもこの資格が必要になってくるのです。
化学工業
ダイオキシンなどの多くの人々に健康被害が及ぶものは、環境分析のサンプル採取などの仕事があります。各地域のダイオキシンの濃度などを測定し、対策を取る計画を実行するための書類などを作ります。
ダイオキシン類作業従事者の仕事内容の魅力と大変な面
ここまではダイオキシン類作業従事者の仕事内容について紹介してきましたが、ここからは仕事の具体的な魅力と大変な面について紹介していきます。
ダイオキシン類作業従事者の仕事の魅力
ダイオキシン類作業従事者は非常に危険で大変な仕事ですが、工事系の中ではかなり手軽に取得できますし、専門性も高いため他の資格には無い魅力というものも持っています。ここでは、そのようなダイオキシン類作業従事者の魅力について紹介します。
未経験からでも仕事ができる
ダイオキシン類作業従事者の魅力は未経験からでも比較的簡単に仕事が出来る点でしょう。専門性が高い仕事ですが、未経験からでも飛び込むことが出来るのは一つの魅力です。
もちろん危険な仕事ですので、いきなり独立して仕事ができるというわけではありませんが、基本的に業界全体で人手が全く足りていないことや資格の取得が容易なこと、その上で非常に危険な作業なので専門業者を雇う必要があることなど、未経験でも仕事が出来る要素は揃っています。
まずは、資格を取得した後に現場での経験を積んで作業員からスタートすることになりますが、現場の経験を積んだ後に様々な業種にも転職することも可能です。
未経験から専門的知識を磨いて、キャリアアップという手段が取りやすい資格でしょう。
他の資格との相性が良い
ダイオキシン類作業従事者は単体でも効果を発揮しますが、複数の資格と組み合わせることで、より幅広く仕事を行うことができます。また、同時にダイオキシン類作業従事者の資格だけでは転職は難しいでしょう。
経験を積みつつ、他の資格も取得して転職することが職種などを変更する場合には有効でしょう。
資格が必須な作業である
ダイオキシン類作業従事者は被爆した場合、最悪死亡する危険な仕事です。そのため、資格が必須となっています。新規の参入には講習だけとは言え、意外とハードルが高いので資格を取ることができれば、仕事につくことも難しくないでしょう。
ダイオキシン類作業従事者の仕事の大変な面
ここではダイオキシン類作業従事者の大変な面を紹介していきます。これから取得しようと考えている方は是非とも参考にしてみてください。
吸い込むと非常に危険
ダイオキシンは非常に危険な化合物で、毒性を持ったものも中にはあります。万が一吸い込んでしまうと、発がんのみならずに肝臓の機能を低下させることもあり、非常に危険なのです。
ダイオキシンは日常的に耳にすることも多いですが、意外と危険なものは身近に潜んでいるものです。油断すると吸い込んでしまうこともあるので、正しい知識を身につけるためにも資格が必要なのです。
他の資格と併用する必要があることが多い
ダイオキシン類作業従事者特別教育はダイオキシンに関する専門資格ですが、残念ながらこの資格だけで転職が可能になるかと言えば、そうでもありません。ダイオキシンが発生する可能性がある仕事の場合に必須になる資格というためです。
そのため、現場の経験や他の資格などが非常に重要になってくるのです。資格の組み合わせ次第では、多くの仕事に転職することも可能でしょう。
ダイオキシン類作業従事者の仕事に向いてる・向いていないを判断するポイント
ダイオキシン類作業従事者は非常に危険な仕事ですが、その分専門業者という魅力があります。そのようなダイオキシン類作業従事者に向いている人と向いていない人は、どのような人なのでしょうか?ここでは大まかに紹介します。
向いている人の特徴と判断ポイント
向いている人は常に危険を意識できる人でしょう。少し抽象的ではありますが、常に危険物を扱っているのは他の建設業界や資格とも少し異なります。もちろん電気やアスベストなどもかなり危険です。
しかし、ダイオキシンは不完全燃焼で発生する特殊なものでより意識して作業に取り掛かる必要があります。普段はキッチリ管理されているからこそ、いざという時の対処が重要になるのです。
向いていない人の特徴と判断ポイント
向いていない人としては、反対に油断してしまう人です。作業は段々と慣れてくるものです。そのような油断の中で危険物を扱っているという自覚を忘れて、大惨事を引き起こすことになるのです。
ダイオキシン類作業従事者を取得して専門性を高めよう
ダイオキシン類作業従事者は、非常に危険な作業ですので専門性が確立されている仕事です。しかし、資格の入手難易度は決して高いとは言えず、講習だけで誰でも取ることが可能です。
そして、講習を受講する方法はいろいろあります。例えば全国各地にある安全協会等が実施しているダイオキシン類作業従事者特別教育の講習会に予約をして受講する方法などが一般的です。
しかし最近では、好きな時間に受講ができるオンライン(Web)形式での講座があり、講習会場などに出向くことなく特別教育の受講が可能ですので、より手軽に特別教育を受けることが可能です。
オンラインの講習は、移動の手間も省けるため時間の節約にもなります。また居住地によっては講習会が遠方でしか開催されていないケースもあり、移動などの費用が多くかかってしまいますが、インターネット環境があればどこでも受講できるオンライン講習にはそのような心配もありません。
そして、ダイオキシン類作業従事者特別教育には実技講習はなく、学科講習のみとなっています。特別教育や安全衛生教育では実技講習を伴う講習も多くあり、実技講習に関しては別途対面で行う必要がありますが、学科講習のみのダイオキシン類作業従事者特別教育ではオンラインの講座のみの受講で資格の取得が可能です。
未経験からでもダイオキシン類作業従事者にはなることが可能ですので、専門性を確立させて仕事をしたいという方は資格取得をおすすめします。