第三種電気主任技術者(電験三種)は、年に一度の試験です。合格率は10%を切る難関試験で、電験三種は取得が大変難しいことでも知られています。
2020年は9月13日(日)が試験日ということで、2019年秋、あるいは2020年から勉強を始める方も多いと思います。そこで今回は電験三種の合格に向けて、電験三種の試験概要と傾向・対策をご紹介します。
目次
2020年(令和2年)電験三種試験の実施概要
試験の申し込み期間は「2020年5月26日(火)〜6月11日(木)」で、試験日である9月13日の約4ヵ月前から申し込みが始まり、3ヵ月前には申し込みが締め切られるという日程です。
試験の申し込みには、書面による申し込みとインターネットによる申し込みの2種類があります。なお、書面による申し込みの場合、受験手数料とともに郵便局(ゆうちょ銀行)に申込書類を提出します。
インターネットによる申し込みの場合の受験手数料は、クレジットカードや銀行振込など色々な方法で支払い可能です。
なお受験場所は都道府県などの「受験地」を選ぶことは出来るものの、「受験会場」は選べません。受験票で受験場所を確認することとなります。
例年のデータから読み解く2020年電験三種試験の合格率予想は?
さて気になる電験三種の合格率。過去10年の合格率は平均8%という狭き門です。
10%を超えたことは一度も無く、過去5年間の合格率は7.7%〜9.3%と微増傾向にあります。微増傾向であることを考えると、2020年度試験の合格率は9%前後と予想されます。
合格率9%というと、簿記1級試験並みの難易度です。かなりの難関試験のため、しっかりとした対策が重要です。
2020年電験三種試験に合格するには?最新情報を元に解説
電験三種の試験対策において重要なことのひとつは過去問です。
というのも、電験三種は過去問を解くだけでは合格にたどり着けません。なぜなら電験三種の試験は過去の試験内容を踏襲しつつも、毎年法令改正や様々なアップデートよって新しい問題が出題されることが通例となっているからです。つまり、過去問が全てではありません。
ただし、過去問を勉強することは基本ですから欠かすことは出来ず、それでいて、並行して新しい傾向の問題に対応できるように勉強を進めていく必要があります。
また例年、試験を主催する一般財団法人「電気技術者試験センター」より、合格基準点が発表されます。合格基準点は概ね55点前後で60点を超えたことは過去10年ありません。よって、過去問を解いて6割取れる程度の勉強ができれば、合格ラインだと考えられます。
2020年・電験三種試験に合格した後のキャリアは?
皆さんが目指す電験三種への合格。その後のキャリアとしてはどのようなものが考えられるでしょうか?
2020年の電験三種の合格発表は例年試験実施から1ヶ月後となっています。よって大学3年生の方なら就職活動に十分間に合うと考えられます。また現在お勤めの方は、電験三種に合格した実績を持って転職活動を始めれば、早くて年内、あるいは翌年度の2021年度4月から新しい職場で働くことができると考えられます。
電気主任技術者資格保有者の人材は業界内では不足しているため、他の資格に比べると就職・転職は有利だというのが通説です。というのも、事業用電気工作物の管理および保全する業務の現場には電気主任技術者を配置しなければならないことが法律で定められているからです。(※電験三種はこのうち、国内の多くの現場が該当する5万ボルト未満の電気工作物の管理保全現場で設置が義務付けられています)
ビル管理会社や商業施設などでは、採用されたあとは研修ののち早速現場に入る、あるいはOJTとして現場を体験できるでしょう。電験三種保持者は資格を持っているだけでなく、実務経験が重要です。転職によるステップアップも視野に入れると、現場経験は就職・転職後のキャリアアップに大きく貢献します。
スタート時期別!2020年電験三種合格を目指すならどんな方法があるの?
では、今から電験三種を目指す方のために、勉強スタート時期別におすすめの勉強法を紹介します。ぜひ少しでも早く勉強を始めて、電験三種に合格しましょう。
なおスタート時期に関わらず、スキマ時間の活用が合格へのカギです。電験三種に合格するための勉強時間はかなり長くなりますので、スキマ時間に勉強できる教材をうまく使うことも重要です。
2019年秋のスタート
2019年秋であれば、試験まで約1年間あります。電験三種は過去の出題内容に新しいタイプの問題を加えたものが出題される傾向にあるため、コツコツとテキストで過去問と参考書を使って勉強していくことになります。
ただし改正された法令は、試験実施年度の4月1日時点で有効な法令が出題されます。そのため最新の情報をキャッチアップしながら勉強することも重要です。
4月までに過去問に一通り目を通し、試験内容や過去の問題を少しでも解けるようにすることも重要です。4月以降は過去問に加えて、新しい傾向の問題や最新の法令に則った問題に対応していくといった勉強法も考えられます。
いずれにしても時間に余裕があることは大きなアドバンテージですので、スキマ時間を活用しながらコツコツ勉強を続けていきましょう。
2020年新年早々のスタート
年の区切りである2020年新年から学習をスタートされる方は、試験まで約9ヵ月です。試験直前は過去問、模擬試験などに追われるため、実質的な学習時間は半年程度だと考えられます。つまり、この半年間が非常に重要な期間となります。濃密で効率的な学習が求められるといってよいでしょう。反対に、短期集中型で学習を進めるのが得意な方にはチャンスがあるといって過言ではありません。
この時間で独学だけで合格するのは難しいと思われますので、できる限りスクールに通うなど、誰かに教えてもらいながら勉強を進めてください。
ちなみに電験三種の合格には、約1,000時間の勉強時間が必要だという目安があります。半年間で1,000時間というと、1日あたり6時間近い勉強量になりますね。数字に驚かれるかも知れませんが、スクールを活用したりや誰かに教えてもらうなどしたりして、効率良く勉強すれば、合格をあきらめることはありません。
2020年春のスタート
2020年春から勉強をスタートさせるとなると、試験日までほとんど時間がありません。そのため勉強法はとにかく効率を重視することになります。どんな学習法が良いか?など、学習プランの策定に割く時間はほとんどありません。出来る限り電験三種指導のプロフェッショナルによる介入が求められる時期でもあります。
効率を重視するにはスクールや動画教材などを使って、できる限り不要な独学を避けながら勉強することをおすすめします。さらにスキマ時間を活用すれば、時間が無くとも合格することは夢ではありません。
まとめ
2020年度の電験三種試験は9月13日(日)と決定しました。申込期間は2020年5月26日(火)〜6月11日(木)です。試験の約4ヵ月前が申込期間です。
電験三種試験は、例年の試験内容を踏襲しながら新しい傾向の問題が出題されており、2020年度試験も同様だと考えられます。気になる合格率は過去10年で平均8%、直近5年の合格率は微増傾向にあり、9%前後と予想されます。
この9%という狭き門を突破するには、1,000時間の勉強が必要と言われていますが、スキマ時間をうまく活用して、過去問や新しい傾向の問題をコツコツ勉強することで、勉強のスタート時期が遅くとも合格することが現実味を帯びてきます。
電験三種を含む電気主任技術者は業界で慢性的に不足している人材ですから、就職や転職にも有利な資格です。合格を目指してがんばりましょう!