「電験三種」は、正式名称「第三種電気主任技術者」という電気の資格です。合格率が低く難易度が高いことでも知られています。
それだけに、電験三種の資格を保有していると求人は大幅に広がります。電気保安はもちろんのこと、ビルメン関連や最近では再生可能エネルギー関連の求人も多く見られます。
そこでこの記事では、電験三種と求人についてご紹介していきます。
目次
電験三種はなぜ求人で人気なの?
そもそも、電験三種を持っていることが、なぜ求人で人気となるのでしょうか?
これは非常に答えがシンプルです。電験三種の資格を持つ方がいないと、従事できない業務があるためです。
例えば、一定以上の規模の電気工事を行う際には電気事業法という法律に基づいて必ず「第三種電気主任技術者(電験三種合格者)」を現場に配置することが義務付けられています。
また、一定規模以上の工場や大型の商業施設、ビル、鉄道などにおいては、電験三種資格保有者を選任しなければならないと法律で定められています。
加えて、電験三種合格者を配置しない工事や、ビルに電験三種資格保有者を設置していないと法令違反になることが、電験三種の需要が高い一因といえます。
一般的に資格を持っていれば就職に有利!というキーワードやフレーズをよく聞きますが、実際には資格を持っていても必ずしも求人に有利とは一概には言いきれません。
つまり「電験三種資格者がないと事業者は法令違反になるので、資格保持者は求人で人気」ということです。
電験三種は狭き門!
ところで、記事の冒頭でもお伝えしたとおり、電験三種の合格は非常に狭き門です。近年やや合格率の上昇が見られるものの試験の合格率が10%以下になる年もあるなど、試験の問題が難しく、また合格者も年間4,000人〜5,000人程度です。
さらに、電験三種の資格は随時受験可能というものではありません。毎年2回おこなれる試験に合格する必要があります。
以前までは年に1回の試験でしたが、令和4年度より年2回実施されています。なお令和5年度からは従来の筆記方式の試験に加えて、試験会場のPCで受験をするCBT方式の試験も始まっています。
近年上記の試験制度変更により若干の合格率の上昇は見られてものの、それでも資格保持者の数は多いとはいえません。
「社会的な需要に対して電験三種資格保有者の数が少ないため、電験三種資格保有者にプレミアがついている」という状況はこれからも続くことでしょう。
電験三種に合格するまでの道のり
先ほどもご紹介したとおり、電験三種は合格率が低く、狭き門です。また、この狭き門をさらに狭めているのが「電験三種の受験は4科目すべてを3年以内に合格しなければならない」という条件です。
電験三種の試験には、「理論」、「電力」、「機械」、「法規」の4科目が出題されます。科目合格制度があるため、たとえ一部の科目のみ合格した場合でも3年間は合格の資格を得られます。しかし、逆に言えば3年以内に4科目すべてに合格しなければなりません。
ですから、それぞれの科目をバランスよく学習し、知識を蓄えておかねばなりません。
独学だけで電験三種の合格を目指すとなるとかなり厳しいものがあるでしょう。
電験三種の参考書やテキストは書店などでも販売されています。しかし、参考書だけで学習を進めようとすると、電気に関するしっかりした知識がない限り合格は難しいかもしれません。
電験三種合格で広がる求人の可能性
電験三種合格で、さまざまな業界の求人へ応募できる可能性がアップします。実は、電験三種の資格保有者を求める業界が非常に多いです。
ここでは電験三種合格によって、求人の可能性がアップする業界をいくつか紹介します。
電験三種合格者ならビルメン業界がおすすめ
ビルメンともよばれる「ビルメンテナンス」業界では、電験三種合格者が「お払い箱」になることはまずないと言ってよいでしょう。
「ビル」という構造物を考えたとき、そのほとんどは「電気工作物のかたまり」です。電気の通っていないビルや高層建築物は、一般的にはありえません。
つまり、ビルのメンテナンスは定期的に行わなければならず、またビルが日本から消えるということもまず考えられないため、定期的なメンテナンスや保守業務において電験三種資格合格者は必要不可欠な存在です。
今後も高度経済成長期に建設されたビルのメンテナンスが必須となるため、求人の増加が期待されます。
電気の保安に関する業界
電気の保安に関連する業界において、電験三種の資格保有者の求人が切れることはまずありません。
なぜなら、電験合格者は本来、現場において電気主任技術者として活躍することが見込まれているものの、その専門的な知識から、現場でエンジニアとして活用したいという業界も多いからです。
つまり、法律上からの電気主任技術者の選任をするという目的のほかにも、資格保有者は活躍の場が用意されています。
新しい業界からも求人多数!再生エネルギー関連業界
電験三種合格者は、新エネルギーに関連する「新しい業界」からも注目が集まっています。
例えば、太陽光発電や再生可能エネルギー利用など、さまざまなエネルギーを電力に変換するという試みが国をあげて推進されている中、電力業界に新たな風を吹き込むような企業が増加しています。
また、こういったまったく新しい分野に参入する企業は、資格やきちんとした知識を保有している人員を採用しようとする傾向があります。
このため、本来の目的である電気主任技術者の選任という部分のみならず、新しいアイデアや柔軟な発想で業務にあたることができるエンジニアとして電験三種合格者を採用するという動きもあります。
ビルメンテナンスや電気保安業界については、若手よりベテランのほうが重宝されるケースもありますが、新しい技術や新しい発想を求める業界では、経験が少ない若手の電験三種合格者を中心に求めている場合もあります。
電験三種の資格を活かせる求人例
電験三種の資格を活かせる求人は、数多くあります。その中から、代表的な求人をピックアップしてみました。
【A社の場合】
項目 | 詳細 |
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地域 | 全国各地 |
仕事内容 | ビルのボイラーやエレベーター、空調などの設備点検 |
応募条件 | 未経験者歓迎 |
給料 | 月給210,000円~320,000円 |
手当 | 資格手当10,000円(電験三種の場合) |
モデル年収 | 38歳(電気主任職)・550万円 |
【B社の場合】
項目 | 詳細 |
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地域 | 東京、神奈川、千葉、埼玉のいずれか |
仕事内容 | オフィスビル、商業施設、物流施設などの設備管理 |
応募条件 | 不問、未経験者歓迎 |
給料 | 月給216,000円 |
手当 | 資格手当20,000円(電験三種の場合) |
モデル年収 | 入社5年・403万円(電工二種、ビル管、電験三種資格保有。残業10時間) |
【C社の場合】
項目 | 詳細 |
---|---|
地域 | 全国 |
仕事内容 | 高圧受変電設備の保守・点検 |
応募条件 | 電験三種必須・実務経験5年以上 |
給料 | 月給238,000円~318,000円(別途、保安従事者確認35,000円を支給) |
手当 | 資格手当20,000円(電験三種の場合) |
モデル年収 | 入社1年・380万円/入社6年・500万円(別途、賞与の支給あり) |
このように電験三種資格保有者は、入社後の年収は300万円台となる場合も多くなっています。一方で、経験を積むことで、400~600万円程度の年収が期待できます。
上記にあげた求人では資格手当が毎月1~2万円支給されることも、年収を上げる要因となっています。
未経験でも就職できる?
電験三種の資格を活かして就職を目指す場合、経験者と未経験者では経験者のほうが有利となる場合が多くあります。
一方で、電験三種の有資格者は不足していますから、未経験の方でも就職するチャンスは十分にあります。
【D社の場合】
項目 | 詳細 |
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地域 | 中部地方 |
仕事内容 | 太陽光発電所における工事、維持および運用に関する保安・監視業務 |
歓迎条件 | 普通自動車運転免許、第三種電気主任技術者 |
応募条件 | 正社員のみ(未経験者可) |
給料 | 正社員のみ(未経験者可) |
【E社の場合】
項目 | 詳細 |
---|---|
地域 | 東北地方 |
仕事内容 | エネルギー発電所の運用・保守業務 |
歓迎条件 | 第三種電気主任技術者の資格保有者、電気設備の保守点検における経験者 |
応募条件 | 正社員のみ(未経験者可) |
給料 | 20万円~45万円+手当 |
電験三種の資格保有者で未経験者を募集している求人例は上記のとおりです。
なかには未経験であるにもかかわらず、「経験者募集中」の求人に応募し内定するケースもありますから、あきらめてはいけません。
このため、「未経験歓迎」の有無にかかわらず、気になる求人に応募するとよいでしょう。求人はハローワークよりも、転職サイトや人材紹介サイトで探すと希望に近づけます。
通信講座で電験三種の資格取得を目指そう
ここまで電験三種求人に強いということを解説してきました。では、勉強をゼロからスタートする場合に電験三種に合格するためには、どんな方法が効率的でしょうか?
独学、専門学校、動画教材、その他通信教育などさまざまな方法がありますが、合格者実績の高い手段を選ぶとよいでしょう。
電験三種試験は3年間で4科目すべてに合格しなければ資格を得ることができません。一般的には電験三種の合格には1,000時間程度の勉強がかかるとされています。
ならば、最短距離で実際に合格者が続出している教材を利用するのがもっとも効率的といってよいでしょう。
通信教育のSATが提供する第三種電気主任技術者(電験三種)講座では、動画とテキストの2つの教材を用いた学習を進めることができます。
動画学習は収録された動画を視聴して進めていきます。これはオンラインでも学習することが可能です(Eラーニングコースの場合)。PCはもちろん、スマートフォンやタブレットからも動画で学習することができるので、移動中の電車のといったスキマ時間を活かした勉強をすることが可能です。
またSATの講座には、数学初心者のために「猫でも分かる電気数学」という講座も盛り込まれています。これは数学を「分数」から学べる講座です。数学が苦手な人でも動画とテキストで理解できるような内容になっています。
もちろん、専門学校に通って通学しながら電験三種の試験対策をするというのも1つの方法です。しかし、その場合数十万円単位でコストもかかりますし、時間的な制約も生まれてしまいます。
こちらの講座はモチベーション管理から、効率的な学習まで無駄なく一気に学習が進みます。
将来のキャリアアップにつなげるためにも、まずは送料無料のサンプル教材を受け取り、電験三種の世界に足を踏み入れてみませんか?
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電験三種の求人に関するおさらい
電験三種に合格するとどんな求人に応募できる?
電験三種に合格すると、「電圧5万ボルト未満の電気工作物」の保守や管理をする仕事に応募できます。
これらの電気工作物は有資格者による定期的な保安点検が義務づけられており、必ず電気主任技術者が保安監督をおこなわなければなりません。
電気設備を設置しているところはもちろんのこと、保安監督業務を委託している会社の求人も応募可能です。
電験三種の資格保有者の求人の量は?
電気工作物は、オフィスビル、商業施設、病院、大規模マンションなどさまざまなところに設置されています。したがって、電験三種の有資格者の求人も常に一定数全国からあります。
正確な統計が取られたことはありませんが、「電験三種 求人」で検索するとたくさんの求人が全国でヒットします。この流れは当分変わることはないでしょう。
電験三種の資格があれば未経験でも大丈夫?
20代~30代までなら、「未経験でも歓迎」という求人が数多くあります。40代以降でも「電験三種の資格を活かした仕事は未経験だけれど、電気工作物の工事や保守・点検の経験はある」という方ならば問題なく就職できるところが多いでしょう。
したがって、全く畑違いの分野から転職してきても、キャリアアップを求めて取得しても使い勝手がよい資格です。