石綿(アスベスト)取扱作業従事者特別教育

アスベスト(石綿)とは?危険性と特別教育の受講方法を紹介

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アスベスト特別教育(石綿(アスベスト)取扱い作業従事者特別教育)をご存知でしょうか。

アスベストはかつて建材に広く使われていましたが、健康被害が出ることがわかりました。そのため、建物の老朽化に伴う解体や改修工事で飛散したアスベストによる労働災害が発生しています。

こちらでは、アスベスト特別教育の必要性と概要、受講方法について詳しく解説します。

アスベスト特別教育の必要性

アスベスト特別教育が実施される理由は、アスベストが健康被害を及ぼす危険性があるからです。

また影響は近隣住民にも及ぶため、アスベストを使用した建物の解体をするときにはアスベスト特別教育を受けておくことが必要です。

アスベストの危険性を踏まえ、特別教育の目的を把握しましょう。

アスベストの危険性

アスベストは天然の繊維状けい酸塩鉱物で、石綿という名で知られる物質です。アスベストは高温や摩擦に強い、ほかのものと均一に混ざるという特性から、建材を中心に多くの用途で使われていました。

例えば、保温断熱のためにビル建設でアスベストを吹き付ける作業や、断熱材、保温材、防音材、ブレーキバッド、スレート材などが代表的です。

アスベストを使用した古いビルや建物を解体する際に、アスベストの繊維が飛散し、それを人が吸引することで、以下の病気を発症するとされています。

  • 石綿肺(じん肺)…アスベストのばく露により肺が繊維化する病気で、10年以上吸引した作業者に発症しやすい
  • 肺がん…繊維が肺細胞に与える刺激で発症するといわれ、発症までの潜伏期間は15~40年、ばく露量が多いと発症リスクが高まる
  • 悪性中皮腫…肺や臓器、心臓を包む膜にできる悪性腫瘍で、若い時期に吸引した人の発症リスクが高い

このように、アスベストは作業員や近隣住民の命に関わるため、適切な飛散対策が求められるのです。

アスベスト特別教育の目的

アスベストを含む建造物や船舶の解体業務は、「危険または有害な業務」に指定されています。

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そのため、アスベストを用いた現場に従事する場合、労働安全衛生法で定められているアスベスト特別教育を受講するよう定められています。

この特別教育は、解体作業で作業員や近隣住民のばく露による健康被害を防止することが主な目的です。対象業務は解体や改修のほかに、損傷や劣化でばく露するおそれのあるアスベストの封じ込みや囲い込みをする作業も含まれます。

アスベスト特別教育の受講方法

アスベスト特別教育の受講内容や費用、代表的な受講方法は次のとおりです。また、受講方法の1つである、Web講座のメリットもあわせて紹介します。

アスベスト特別教育の講習内容

アスベスト特別教育は、以下の5科目を全て受講します。

  • 石綿の有害性…石綿の性状、石綿の吸引による病気の症状、喫煙の影響など
  • 石綿等の使用状況…石綿を含む製品の種類や用途、事前調査の方法
  • 石綿等の粉じんの飛散を抑制するための措置…解体などの作業方法、湿潤化の方法、作業場所の隔離方法
  • 保護具の使用方法…保護具の種類や性能、使用方法、管理および実技
  • その他石綿等のばく露の防止に関し必要な事項…労働安全衛生法などの関係条項、石綿による健康被害予防に必要な事項

一般的な講習会で受講する場合、上記の内容を4.5時間で学びます。

アスベスト特別教育の受講場所と費用

アスベスト特別教育の主な受講場所と、受講にかかる費用は次のとおりです。

  • 建設業労働災害防止協会(建災防)
    建設業における労働災害の防止を目的に設立された団体で、各都道府県の支部で講習会を開催しています。費用は地区によって異なりますが9,000円前後になります。
  • 各協会
    各都道府県の労働基準協会や中小建設業特別教育協会、労働局長登録の教習機関、建設機械の教習所などで講習が受けられます。費用は10,000円前後になります。
  • Web講座
    インターネットで講習の動画を視聴しながら、専用のテキストを使って勉強できるシステムです。Web講座でも講習会と同様に、正式な証明書となる修了証を受け取れます。費用はテキスト代込みで9,000円前後になります。

アスベストの特別教育と技能講習の違い

アスベスト特別教育に似たような講習として、「石綿(アスベスト)作業主任者技能講習」があります。

こちらは「作業主任者」になるための講習となっています。作業主任者は現場において指揮や監督を行うことができます。

特別教育は「作業従事者」向けに開催されるので、この点が大きな違いとなります。

現場を取り仕切る作業主任者ですので、作業主任者技能講習は特別教育より講習内容もより専門性が高くなり、最低講習時間も10時間(学科)となっています。また、作業主任者は講習終了後に修了試験(1時間)を受験して合格する必要があります。

Web講座でアスベスト特別教育を受講するメリット

Web講座の最大のメリットは、自宅にいながら講習を受講できることでしょう。

建災防や各協会などの講習会はほとんどが事前予約制で、講習の実施日も限られています。ですので、Web講座は業務が忙しく、講習の予定が組みづらい方に最適です。また、スマホでも動画を視聴でき、また再生を途中で止めて別の機会につづきから受講開始することもできるので、ちょっとスキマ時間を有効活用できます。

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危険または有害な業務に指定されているアスベストの解体業務において、Web講座は自分や周囲の身を守ることに役立つでしょう。

SATのアスベスト特別教育講座の内容

オンラインでアスベスト特別教育講座を受けるのであれば、SATがおすすめです。カリキュラムに従って勉強を進めれば、効率的に必要な知識をインプットできます。

SATのアスベスト特別教育講座では以下の講座プログラムが組まれています。

SATの石綿(アスベスト)取扱作業従事者特別教育 講座内容時間
 オリエンテーション28分
 第1章 石綿の有害性49分
 第2章 石綿等の使用状況1時間10分
 第3章 石綿等の粉じんの発散を抑制するための措置1時間30分
 第4章 保護具の使用方法1時間14分
 第5編 関係法令1時間22分

健康に大きく関わるアスベストはWeb講座で理解度アップを!

アスベストを含む建材を解体する際にばく露すると、肺がんやじん肺などの健康被害を引き起こします。

アスベスト特別教育は解体作業におけるばく露を防止し、作業員や近隣住民を守るために必要な講習です。

講習ではアスベストの危険性や保護具の使い方など、解体業務の実践的な内容を学びます。建災防や各協会で講習を開催していますが、アスベストは健康に大きく関わるので、Web講座でより理解度を高めておくことをおすすめします。

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