仕事や就職に役立てるため、第二種電気工事士を目指す方は多いことでしょう。第二種電気工事士を取るためには、試験に合格する必要があります。事前にどのような試験かを知っておけば適切な対策ができ、合格につなげることができます。
ここでは第二種電気工事士の試験時間と、時間配分についてのポイントを中心に解説します。試験合格のために重要な部分ですから、しっかりチェックしてください。
目次
第二種電気工事士の試験内容
第二種電気工事士の試験は、筆記試験と技能試験の2つに分かれます。両方に合格した方が第二種電気工事士になれます。
筆記試験は4肢択一のマークシートで行われる試験で、問題数は50問です。合格ラインは原則として60%(30問正解)となっています。
出題される問題は、大きく以下のように分かれます。
全般的に材料や器具、工具の写真を提示し、正しい選択肢を選ばせる問題が多くなっています。このため筆記試験の段階から技能試験を意識し、材料や器具、工具をよく見ることが筆記試験の対策にもつながります。あわせて計算問題のボリュームが多い場合もありますから、正しく計算できるように練習しておきましょう。
また問題には、以下の2つのパターンがあることに留意が必要です。
・正しいものは。/適切なものは。
・誤っているものは。/不適切なものは。
もし問題をよく読まずに解答すると、誤答につながってしまいます。
一方で技能試験は、問題に書かれている配線図の条件を満たすように、支給された材料を使用して解答を作製する実技試験です。材料は会場で支給されるもののみ使える一方で、工具は持ち込みが必要です。40分の制限時間で、正しい寸法かつ電気的な欠陥がないように作らなければなりません。
技能試験で出題される問題は、あらかじめ受験案内で公表されています。13種類のなかから1題が出題されますから、事前の準備が可能です。そのためどの問題でも40分以内で完成できるよう、十分に練習を積んでおきましょう。
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第二種電気工事士【筆記】の試験時間
筆記試験の試験時間は120分
筆記試験は午前に行われる場合と、午後に行われる場合があります。参考までに2019年の試験はどのように進められたか、当日のスケジュールを確認していきましょう。
どちらも試験開始の15分前から説明が始まり、試験開始30分を過ぎると入室できません。試験は大学で行われる場合も多いです。また会場によっては、校門から試験室までの移動時間が10分以上かかる場合もあります。このため確実に試験を受けるためにも、早めの移動が欠かせません。
筆記試験の時間は十分にあります。そのためわからない問題は後回しにして、わかる問題からとりかかるとよいでしょう。
また試験では、どうしてもわからない問題が出題される場合もあります。その場合は空欄にせず、4つのうちどれかを選んでマークしましょう。わからない問題が複数ある場合は、すべて同じ選択肢をマークすると得点が上がりやすくなります。
時間配分の目安
筆記試験は50問に対し、試験時間は120分です。1問当たり2分強で解答すればよいわけですが、出題される問題は以下の2つに分けられることに留意が必要です。
・知っているかどうかを問う問題(知っていればすみやかに解答できる)
・計算が必要な問題(選択肢を選ぶためには時間をかける必要がある)
このため合格するためには、以下の通り時間配分を考えるとよいでしょう。
とりわけ計算問題は試験の冒頭に出てきますので、解けないとあせりがちです。しかしその後に続く「知識を問う問題」を解く時間は、それほどかかりません。このため計算問題には多少時間をかけてもよいので、あせらず確実に進めることが重要です。
第二種電気工事士【技能】の試験時間
技能試験の時間は説明を含めて80分
技能試験の試験時間は40分と、筆記試験と比べて大幅に短くなっています。しかし「40分だけ試験室にいればよいのか。楽だなあ。」と思ってはいけません。まずは技能試験当日のスケジュールを確認していきましょう。
・説明開始時刻:10時50分
・入室禁止時刻:10時55分
・試験開始:11時30分
・試験終了:12時10分
上記の通り、説明開始時刻から試験終了までの時間は80分です。とりわけ説明開始時刻より5分以上遅刻すると、試験を受験できない点に留意してください。これは説明開始後、受験者による材料確認作業などがあるためです。従って試験開始時刻30分前に着いても受験できませんから、説明開始時刻に十分間に合うよう、余裕をもって会場に向かいましょう。
また限られた時間内で、問題の要件を満たす解答を作らなければなりません。慣れていないと時間内に完成できず、不合格となります。問題の候補はあらかじめ公表されていますから、どの問題が出ても対応できるよう、事前にしっかり練習を積むことが求められます。
時間配分の目安
技能試験の出題は1問です。制限時間は40分ですから、合格するためには適切な時間配分が重要です。試験当日は、以下の表を目安に作業を進めるとよいでしょう。
技能試験は練習を積めば、器用な方なら20分程度で終わらせることが可能です。とはいえ、欠陥があるとその時点で不合格になります。また問題に書かれた条件を読み間違えた場合も、不合格となってしまいます。そのため試験に合格するためには問題文をしっかり理解し、落ち着いて作製することが欠かせません。
第二種電気工事士試験の持ち物
筆記試験の場合
筆記試験に必要な持ち物は、以下の通りです。忘れると受験できなくなる場合がありますから、事前に必ずチェックしておきましょう。
・受験票(試験会場で回収)
・写真票
・受験票と写真票に貼付する写真(縦45mm、横35mm。2枚必要)
・HBの鉛筆またはシャープペンシル(マークシートへの記入がある)
・鉛筆削り
・プラスチック消しゴム
・時計(試験室には時計がない場合もある)
なお電卓は使えません。手書きで計算ができるよう、準備しておきましょう。
技能試験の場合
技能試験に必要な持ち物は、筆記試験と大きく異なります。以下に示しますので、忘れないようにしましょう。
・受験票
・写真票(試験会場で回収。筆記試験からの受験者は、筆記試験で使用した写真票を持参)
・技能試験からの受験者は、写真票に貼付する写真(縦45mm、横35mm)
・HBの鉛筆またはシャープペンシル(マークシートへの記入がある)
・プラスチック消しゴム
・時計(試験室には時計がない場合もある)
・定規(透明または半透明のもの)
・ペンチ
・プラスドライバー(No.2)
・マイナスドライバー(5.5)
・電工ナイフ
・スケール
・ウォーターポンププライヤー
・圧着工具(握り部分の色が黄色のもの。JIS C9711適合品)
・VVFストリッパー(数秒で被覆をむけるため便利)
・ニッパー(VVRケーブルやゴムブッシングを切る際に便利)
余裕があれば、以下の物も持参するとよいでしょう。
・技能試験の練習で使っていた工具(電動工具を除き持ち込み可)
・色鉛筆、色ボールペン、蛍光ペン、マジックなど(複線図を書く際に便利)
まとめ
電気工事士では筆記試験と技能試験があり、両方合格することで資格を取得できます。筆記試験は4肢択一のマークシート方式です。一方で技能試験は実際に工具を使い、解答を作製する試験です。どちらも時間配分を事前に知っておくことで、試験に合格しやすくなります。
とりわけ技能試験の問題は、事前に公表されています。そのため実際の試験と同じ時間で、十分に練習することが欠かせません。
また試験時間や当日の持ち物は、筆記試験と技能試験で異なります。本記事を参考にして、忘れ物のないようにしましょう。