電気工事士の実技試験は別名「技能試験」と呼ばれ、学科試験に比べて難しいといわれています。しかし、技能試験はあらかじめ問題が公開されているため、練習すれば必ず合格できる試験です。この記事では第一種電気工事士の技能試験に絞って、合格のための対策を最初の一歩から丁寧に解説しています。第一種電気工事士の受験を悩んでいる方、受験したいけど何から始めていいかわからない方も、是非お読みください。
目次
第一種電気工事士の技能試験とは
第一種電気工事士技能試験の内容
第一種電気工事士の試験は学科試験と技能試験で構成されています。令和6年度の試験から学科試験、技能試験ともに年2回の実施となりました。学科試験に合格すると技能試験を受けることができます。
令和7年度の試験日程は以下のとおりです。
【令和7年度 第一種電気工事士の試験日】
上期 | 下期 | |
学科試験(CBT方式) | 4/1~5/8 | 9/1~9/18 |
学科試験(筆記試験) | 実施無し | 10/5 |
技能試験 | 7/5 | 11/22 |
次に試験時間や令和6年度下期の合格率を見ていきましょう。
試験時間 | 合格率 | |
---|---|---|
学科試験 | 140分 | 55.4% |
技能試験 | 60分 | 61.9% |
引用元:一般財団法人 電気技術者試験センターのデータをもとに合格率を試算
技能試験の受験資格とは
技能試験には受験資格があり、以下の条件いずれかに当てはまる方が技能試験を受けられます。
【技能試験の受験資格】
①実施年度の学科試験に合格した者
②学科試験免除対象者
・前回または前々回に第一種電気工事士学科試験に合格した方
・電気主任技術者免状取得者
・旧電気事業主任技術者規則による電気事業主任技術者の資格を有する者
(2つ目、3つ目の項目に該当する方については免除申請時に証明書類が必要です。詳しくは一般財団法人 電気技術者試験センター 学科試験の免除について(第一種電気工事士)をご覧ください)
次に技能試験ではどんな問題が出題されるのか、見ていきましょう。
技能試験ではどんな問題が出るか
技能試験は工具を使って、実際に配線を行う試験です。試験日前にあらかじめ10問の問題が公開され、当日はその中から1問が出題されます。
具体的な内容は以下のとおりです。
1 | 施工条件に従って複線図を作成する |
---|---|
2 | 電線の切断 |
3 | 絶縁被覆を傷つけないように剥く |
4 | 欠陥に気をつけて器具を施工する |
5 | ボックス内への接続 |
6 | 配線の接続、圧着 |
7 | 結線の最終確認 |
技能試験は60分と余裕がないため、45分で施工を完了させ、残り15分は確認ができるといいでしょう。技能試験において重要なことは複線図と欠陥について深く理解し、候補問題を繰り返し施工することです。
また、技能試験の候補問題は一般財団法人 電気技術者試験センターで公開されているので、必ず確認しましょう。
第二種の技能試験との違い
第一種では第二種で取り扱える一般用電気工作物に加えて、最大500kw未満の自家用電気工作物も取り扱えるようになるため、技能試験の作業範囲も大幅に増えます。
具体的には、高圧から変圧器、変圧器から200V及び100Vに落とした2次側回路の作成になります。これに伴い、計器用変圧器(VT)代用の端子台、変流器(CT)の回路、電磁接触器(MC)と熱動継電器を組み合わせた制御回路、変圧器代用の端子台が第一種の技能試験に加わります。
タイムスイッチ(TS)回路やTSと自動点滅器の組み合わせ回路もあり、二種と比べて難易度が大幅に上がりますが、第二種試験で作成する2次側回路も含まれているので、二種の範囲をしっかりと覚えておくことも大切です。なお、試験時間は第一種では60分です。
第一種電気工事士の技能試験対策
テキストや動画を見てやり方を覚える
第一種電気工事士の技能試験対策として、まずやらなければならないことは「複線図のマスター」です。第二種をすでに取得されている方は単線図には慣れていると思いますが、第一種では複線図と同時に図記号、配線のカラー選択、リングスリーブのサイズ区別などのルールもテキストなどを使って徹底的にマスターしましょう。
次に行うのは電気工作物の作成です。電気工事士の技能試験はあらかじめ問題が公開されていますので、まずは通信教育が発行している動画教材やYouTubeなどを見て、一つ一つやり方を確認していきましょう。
お手本をまねして練習する
あとは「徹底的に練習する!」に限ります。試験は制限時間がありますので、時間内に無駄なく組み立てなければなりません。電気工事士も技術系資格の一つですから、熟練した人のやり方をまねることが一番の近道です。先ほど触れた通信教育が発行している動画教材は、回り道をする必要がなく、試験対策として研究された効率の良い教材になります。
また、YouTubeは無料で見られることと、実際に試験を突破した先輩の技術を見られることが最大のメリットです。ただし、色々なバックグラウンドの方がいますので、視聴する際には、正しい方法で自分に合った動画を探すのがポイントです。
人によって独自のやり方があるのも技術系資格の特徴です。最終的には解答の回路を組み立てるとしても、手順などはオリジナルのやり方があるので、自分に合った先生を見つけたら、ひたすら練習をしましょう。
第一種電気工事士の技能試験を受ける前に
電気工事士の技能試験では指定工具がありますが、電動工具以外を持ち込むことができます。制限時間内に組み上げるためには「自分にあった工具の選定・準備」が合格への大きな要因となります。
効率よくかつご自身に合った工具を事前に揃えて、練習時から使いこなしておくと、なおよいでしょう。
ここでは、指定工具や持っておくと便利な工具をご紹介します。
1)リングスリーブ用圧着工具(JIS C9711適合品)
リングスリーブの圧着に使用します。小中大とそれぞれのサイズに対応したものがあります。
2)電工ナイフ
芯線被覆やVVFケーブルの外装被覆ストリップとして使用します。
3)ウォーターポンププライヤー
アウトレットボックス内など狭い場所での取り回しが容易な小型タイプがおすすめです。
4)ドライバー(プラス/マイナス)
プラスドライバー 先端サイズ:No.2
ランプレセプタクルや露出形コンセント、端子台のネジを締める際に使用します。
マイナスドライバー 先端サイズ:5.5×0.8
連用取付枠への連用器具の取り付け・取り外し、差込型端子からのケーブルの取り外しに使用します。
5)ペンチ
電線の曲げ加工時に使用します。
6)スケール
ケーブルの長さを測るために使用します。試験では多少の誤差は欠陥とはならないので、スピーディーに作業を進めるために、両面テープで机に貼れる布尺がおすすめです。
7)その他
ペンチにVVFケーブルをカットできるタイプもありますが、VVFストリッパーがあると被覆ストリップも早く行えますし、のの字曲げも早くきれいにできるので、おすすめです。
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まとめ
第一種電気工事士の技能試験対策では、複線図をマスターすることが最初の一歩です。そこからは、テキストだけではなく動画教材などを利用して、お手本のとおりに一通りやってみながら、手順を覚えていきます。できるようになったら、あとはひたすら練習あるのみです。
技能試験には電動工具以外の持ち込みが許可されています。いくら正しく組み上げても制限時間内にできなければ合格できません。そのためには工具の選定と準備が非常に重要です。指定工具はもちろんですが、VVFストリッパーなど作業効率のよい工具を揃えて、あらかじめそれらを使って練習しておきましょう。
電気工事士として実際に働くと、様々なタイプの配線を目にします。試験とは違って誰も教えてくれることはありません。出題は10問中1問ですが、全てのバリエーションを練習しておくことは決して無駄になりません。
第一種電気工事士の技能試験は難易度が高いと思われがちですが、内容はあらかじめ公開されており、しっかりと練習すれば合格できます。この記事を参考にしっかりと対策をし、万全の準備で臨みましょう。