人間が生きていくために必要なインフラである水ですが、その水を安定的に供給するのが「給水設備」です。そして、給水掃除工事主任技術者は、給水装置の設置工事の施工を認められている唯一の資格です。
ここでは、給水装置工事主任技術者には実際にはどのような職業があるのかや、具体的な仕事内容はどのようなものかなど、そのような疑問に対して紹介しています。
目次
給水装置工事主任技術者とは?
給水装置工事主任技術者は、水道事業者からの指定給水装置工事事業者を受けるための資格です。
簡単に言えば、水道局から「給水設備を設置しても良い」という認可を受けるために必要になる資格なのです。
この資格がなければ、許可が無いため給水工事を始めることができません。どれだけ設置の技術があったとしても、許可がなければ工事を始めることは出来ないのです。
給水工事主任技術者は工事の監督だけが仕事ではなく、水道局との調整や工事計画の策定など様々な面でやり取りが発生する給水装置のスペシャリストなのです。
この資格だけで仕事を受注出来るレベルの資格ですが、試験の難易度はやや高めとなっており、合格率は30%~45%となっています。特にここ数年の合格率は30%前半で推移しています。
また試験を受験する際、給水工事主任技術者は実務経験が3年以上の人が受験することができます。まずは実務経験を積むことが必要になりますので、ご注意ください。
続いては給水装置工事主任技術者の仕事内容について見ていきましょう。
給水装置工事主任技術者の仕事内容
給水装置工事主任技術者は具体的にどのような仕事があるのかと言われると意外と思い浮かばないこともあるかもしれません。そこで、ここでは給水装置工事主任技術者の仕事内容について大まかに紹介していきます。
メンテナンスエンジニア
メンテナンスエンジニアは、給水装置に異常があった場合や新規に設置する場合に工事に立ち会う仕事です。
工事全体を把握できているので、無資格の場合と比べ非常に経験や技術に基づいた提案ができるでしょう。
給水管工事
給水管工事の仕事も非常に多いでしょう。現場で工事を行い、実務経験を積んだ後に資格を取得するケースが一番多いです。実際には給水管だけではなく、給水設備全般の工事を担当することになります。
資格を取得前とは確実に仕事の範囲は異なります。資格は技術の裏付けになりますので、転職なども容易でしょう。
施工管理
資格取得後の選択肢としては、施工管理が一番多いでしょう。給水装置工事主任技術者を取得することは、給水設備設置工事を自分で行えるレベルの裏付けです。
つまり、現場の工事者として活躍するよりも、現場管理になる方が多いです。
現場経験もありますし、資格もしっかりと取得しているため発注する側としても安心して工事を任せることができます。
施工管理業務となると書類仕事や打ち合わせが格段に増えますが、これも現場経験からスムーズにこなすことが出来るでしょう。
給水装置工事主任技術者の仕事内容の魅力と大変な面
ここまでは給水装置工事主任技術者の仕事内容について紹介してきましたが、ここからは仕事の具体的な魅力と大変な面について紹介していきます。
給水装置工事主任技術者の仕事の魅力
給水装置工事主任技術者は実務経験が必要な分、資格の中でも入手難易度はやや高めですが水道工事に特化することを考えると非常に魅力に溢れている資格ですので、ここではその魅力について紹介していきます。
技術者としてキャリアップができる
まずは、技術者としてのキャリアアップでしょう。建設業界は資格もさることながら現場での経験が物を言う業界です。未経験からでも仕事することは出来ますが、2つとして同じ現場がない以上、その場の対応力が何より大切です。
また、覚えることも非常に多いです。毎年技術やルールというのは変更されます。この条件をいち早く覚えて対応しなければいけません。また、時間も限られていますし、他の業種との兼ね合いなどかなり柔軟な対応が求められます。
給水装置工事主任技術者を持っていれば、給水工事に関して一定上の知識と経験があるということが誰の目から見てもわかります。
経験次第で転職も容易
前述の通り、外部から見ても経験や知識が資格を持っていることでわかるため、転職なども容易です。転職者に共通することですが、経験が何よりも大切です。即戦力として会社に貢献できる人材を雇いたいのです。
その際に給水装置工事主任技術者を保有していれば、独立も可能なレベル資格ですので会社としてでも即戦力の人材と判断し採用したくなります。面接で現場経験や関わった内容などをしっかり話せば基本的に人手不足の業界ですので、転職は難しくありません。
資格という手段で、外部に経験をアピールすることができるは非常に重要です。
独立も可能
この資格の優秀な点は独立も可能であることでしょう。多くの資格の場合は、経験のアピールには有用ですが独立というところまでは行きません。その点この資格は、水道事業者から認可を受けて独立も可能です。
経験が一定年数の方は独立するという手段もあるのです。独立が可能な資格で経験年数が3年以上で取得できると考えれば、非常に魅力あふれる資格と言えるでしょう。
独立も視野に入れてこの資格を取得してみるのもいいかもしれません。
給水装置工事主任技術者の仕事の大変な面
ここでは給水装置工事主任技術者の大変な面を紹介していきます。これから取得しようと考えている方は是非とも参考にしてみてください。
経験が重要視される
大変な面としては、業界の特徴とも言うべき特徴ですが経験が何よりも重要視されます。同じ資格を持っている場合では経験が長いほうが優遇される傾向にあります。あくまでも資格をは証明手段の一つということです。
むしろ、資格を取得してからが勝負かもしれません。資格をどのように活かすかが、収入面や技術面でも大きく関わって来るでしょう。
体力が必要
給水装置工事主任技術者は基本的に体力勝負です。現場に出ることも少なくなるから体力勝負ではないと思うかもしれませんが、現場を複数抱えたり役所や水道局との調整、現場の管理などいきなり現場の数倍の仕事量になることもあります。
単純に工事を行えばいいわけではないため、体力はどうしても必要になってきます。おそらく多くの方は今まで以上に忙しくなるため、その点も頭に入れておくと良いかもしれません。
給水装置工事主任技術者の仕事内容と年収の関係性
給水装置工事主任技術者は専門的な資格ですが、年収はどの程度なのでしょうか?ここでは有給水装置工事主任技術者と年収の関係性について紹介します。
給水装置工事主任技術者の一般的な年収
給水装置工事主任技術者の年収は400万~600万程度です。現場の経験や職種にと比較しても大きく変わります。
独立した場合はさらに年収アップが見込めるでしょう。営業でどの程度案件を獲得できるかで収入は変化します。
同じ仕事でも有資格者と無資格者でどれくらい年収が変わるのか
現場で工事を行う場合でも給水装置工事主任技術者と無資格者では、年収に100万以上の差が出てくることもあるでしょう。これは、主に工事というよりも他の部分で影響します。他の業者や元請けとの折衝などが確実に有資格者に発生するため、その点で年収に差が付きます。
給水装置工事主任技術者の仕事に向いてる・向いていないを判断するポイント
ここでは給水装置工事主任技術者に向いている方、向いていない方を大まかに説明します。
向いている人の特徴と判断ポイント
向いている人は、なんと言っても向上心のある人でしょう。この資格は経験をアピールするのもので、取ってからが本番という部分もあります。向上心がない場合は現場でキャリアを積むことは難しいです。
向いていない人の特徴と判断ポイント
現場で工事をずっとやっていきたい人は向いていないかもしれません。有資格者になれば他の業務のほうが忙しくなることは間違いありません。現場を複数抱える場合でも、責任者に任命されやすくなるためです。
徐々に現場からは離れるようになることもよくあることです。そのため、現場で工事を極めたい方には向いていないかもしれません。
給水装置工事主任技術者を取得しよう
給水装置工事主任技術者は将来的に独立まで目指すことが出来る資格です。非常に魅力にあふれていますが、それ故に資格を取得した後は業務がかなり増えることが多い傾向にあります。
将来的に給水工事で独立も視野に入れている人は、ぜひ資格取得を目指してしてみてはいかがでしょうか?