情報機器作業労働衛生教育

情報機器作業労働衛生教育とは?必要性や内容・受講方法を紹介

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情報機器作業労働衛生教育とは、パソコン・スマホ等のIT機器を利用した長時間のデスクワークで生じる可能性がある健康リスクを防止することや、安全で快適な作業環境を提供することを目的とした教育です。労働安全衛生法に基づいて実施が義務づけられています。

本記事では、情報機器作業労働衛生教育の概要や必要性、受講方法について解説します。情報機器作業労働衛生教育や受講方法について知りたい方は参考にしてください。

情報機器作業労働衛生教育とは

はじめに、情報機器作業労働衛生教育の概要や必要性について解説します。一般的な労働安全教育および労働衛生教育との違いについても説明するので、参考にしてください。

情報機器作業労働衛生教育の概要と目的

情報機器作業労働衛生教育とは、パソコンやタブレットをはじめとする情報機器を日常的に使用する労働者の健康を守るために行われる労働衛生教育です。

IT技術の進歩により、情報機器はビジネスの場にもなくてはならないデバイスになりました。2000年代以降事務作業はもちろんのこと、研究や製造の現場でも欠かせません。

その一方で、情報機器作業にともなう精神的疲労や身体的疲労を訴える労働者も増えています。

一例を挙げると、以下のような症状が発症するリスクが増します。

・VDT症候群:パソコンやタブレットなどの画面(VTD)を長時間見続けることで、眼精疲労、首や肩のこり、腰痛、背部痛、腱鞘炎、頸肩腕症候群等の身体的な症状が現れる

・テクノストレス症候群:パソコンやインターネットに没頭することにより、対人関係が希薄となる症状。重症化すると実生活にも支障をきたす。テクノ不安症やテクノ依存症といった症状があり、適応障害として治療が必要になる場合もある。

情報機器作業を操作して心身にどのような影響が出るかは、個人差があります。長時間操作しても全く問題がない方もいれば、短時間の操作で影響が出るケースもあるでしょう。

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情報機器作業労働衛生教育を実施することで、情報機器操作が心身に与える影響を労働者に知ってもらい、安全かつ健康的に仕事を続けてもらえます。

情報機器作業労働衛生教育の必要性

パソコンやタブレットをはじめとする情報操作機器を長時間操作していると、眼精疲労、首や肩のこり、腰痛、背部痛など身体にさまざまな悪影響が出る可能性があります。

建築業や製造業等で行われている重量物や危険物を扱った作業は、一目で危険性が高いと判断できます。そのため、対策や安全教育の重要性が比較的わかりやすいです。

一方、情報機器作業労働は、一見すると事務作業と同じ軽作業に見えます。だからこそ、「職場の自主性」や「個人の裁量」に任せてしまうとなかなか対策が行われません。

情報機器作業は以前はVTD作業と呼ばれており、「VDT作業」に伴う労働衛生上の問題は、1980年代から問題視されていたのです。そのため、1985年(昭和60年)に「VDT作業のための労働衛生上の指針」を定め行政指導をはじめています。

しかし、1980年代から40年以上指導や教育をしていても、「パソコンの使いすぎで目がかすむ」「腰が痛い」といった訴えをする労働者は減っていません。

これは、会社はもちろんのこと労働者自身が、情報機器作業労働の肉体や精神への影響を軽んじていることも一因です。

また、情報機器作業は肉体への直接的な負担は軽度です。一方、重量物を持ち上げたり危険をともなう作業は肉体的な負担が大きいので長時間続けられないものも多いです。

そのため、何時間でも作業を続けてしまい、体に痛みなどの症状が出て初めて「健康に悪影響があった」と気がつくケースもあるでしょう。その結果、仕事を休まざるを得ないケースもあります。このような事態を防ぐためにも、教育は重要です。

情報機器作業労働衛生教育が必要な作業内容

厚生労働省が定めた、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」では、情報機器を用いた作業を業務で行う場合に、情報機器作業労働衛生教育を実施するように定めています。

対象となる作業とは、デスクトップ型パソコン、ノート型パソコン、モニター、タブレット型、スマートフォンなどを使って行う作業です。例えばデータ入力や検索、文章や画像の作成や編集、プログラミングやモニターを使った監視作業などが該当します。

業務形態は問われません。正社員だけでなく派遣、パート社員、アルバイト、嘱託まで情報機器作業に従事している方ならば、教育を受けなければなりません。

情報機器作業労働衛生教育の内容と受講方法

ここでは、情報機器作業労働衛生教育の内容と受講方法を紹介します。かつては、教育は対面で講習を受ける方法しかありませんでしたが、現在は受講方法も多様化しています。

「仕事が忙しいので、なかなか従業員に教育を受けさせられない」と悩んでいる方も参考にしてください。

情報機器作業労働衛生教育の内容

情報機器作業労働衛生教育の内容は、以下のようになっています。

情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインの概要について(2時間)

情報機器ガイドラインの概要や、労働衛生管理の重要性や内容などを学習する。

作業管理・作業環境管理(2.5時間)

作業管理では、安全かつ健康的に仕事が続けられるように作業を管理する方法。「腰や背中に負担をかけない姿勢の維持方法」「作業の合間のストレッチのやり方」「作業の合間に遠くを見る習慣づけ」などを学ぶ。

作業環境管理では、情報機器の種類・特徴・注意点、作業環境が作業の効率を挙げつつ、健康に 及ぼす影響を知る学ぶ。
「正しい椅子や机の高さ設定」「腰や背中に負担をかけない姿勢の維持」「画面の明るさと照度の適切な調整」「休息の取り方」「仕事の配分に関するマネジメント方法」などが該当する。

健康管理(2.5時間)

情報機器作業の健康への影響を学ぶ。「眼精疲労」「腰痛・首のこり・肩のコリ」など。また、メンタルヘルスに関しても学ぶ

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合計7時間の講習なので、基本的には1日で教育は終わります。該当する従業員には早めに仕事を切り上げてもらう等をして工夫をしてください。業務時間外の受講は法令違反となるので、決して行わないようにしてください。

情報機器作業労働衛生教育を受講する方法

情報機器作業労働衛生教育を受講する方法には、以下のような3つの方法があります。

  • 対面講習:指定された場所に行って、講師による講義形式の教育受講
  • 出張講習:講師に会社へ来てもらって教育を受ける
  • オンライン教育:オンライン講座を利用して受講する

かつては、対面講習・出張講習が主流でしたが、近年はオンライン研修を受講する会社も増えています。しかし、受講を監督する人が必要など細かいルールがあります。原則として「自分で好きな時に好きなスタイルで受講する」ことは難しいでしょう。

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情報機器作業労働衛生教育を従業員に適切に受けさせれば、心身の不調で長期休業や退職せざるを得ないといった事態を防げます。

通信教育のSATでもオンラインで情報機器作業労働衛生教育を受けられる講座があります。労働局確認済みのAI顔認証システムを搭載しているので、事業者が監視人を定めたり改めて雇用したりする必要はありません。

教育を終えたら独自の修了証を発行するので、教育を受けた証明をするのも簡単です。受講方法に悩んでいる方は、一度ご検討ください。

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