刈払機取扱作業者安全衛生教育は、刈払機を正しく取り扱うための必要な知識や技術を学ぶための講習です。ここでいう刈払機とは、草刈り機のことをいいます。
この記事では刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講目的や受講内容などの概要説明、また受講方法について解説しています。
目次
刈払機取扱作業者安全衛生教育の概要
刈払機は、林業・建設業・農業・道路における工事などさまざまな現場の作業で幅広く使用されているのが特徴です。
道路やダムの盛土締固め、道路舗装・建築構造物基盤、地下埋設物の覆土などの締固めにも用いられています。
一見すると便利な刈払機ですが、使用方法を間違えると大きな事故につながる危険性があるため、刈払機取扱作業者安全衛生教育を通して必要な知識を身につけることが大切というわけです。
受講目的
先ほど解説した通り、刈払機はさまざまな業界の現場で幅広く使用されています。仕事の効率が向上するため頻繁に使用されている機械ですが、一方で正しく使用しないと身の危険が及ぶ可能性もあります。
例えば、刃が非常に早く回転して草を刈る仕様の刈払機は、刈刃の跳ね返りや転倒などによって刈刃に接触する労働災害が考えられます。 また、安全装置の使い方や着用を怠れば、夏の暑い日における防具未着用による労働災害や、長時間使用が原因で生じる振動災害の発生も起こりかねません。
そのため労働安全衛生法では、作業者の労働災害防止を最大の目的に刈払機を使用する業務に従事する方に対して安全衛生教育の実施を義務付けています。
受講するメリット
刈払機取扱作業者安全衛生教育は労働災害防止を目的として実施されますが、それ以外にも受講するメリットはあるのでしょうか? 刈払機取扱作業者安全衛生教育を受講するメリットは、以下の3つです。
- 刈払機の取り扱いに関して正しい知識や技術を有していることの証明になる
- 刈払機を取り扱えることにより、できる仕事の幅が広がる
- 今よりも技術者としての付加価値が高まる
刈払機取扱作業者安全衛生教育を受講していると刈払機を正しい知識で使用できます。実際に現場で作業する際にも修了証が正しい知識や技術を有していることの証明となって役立つでしょう。
また、刈払機を正しく取り扱えることで今よりもできる仕事の幅が広がるのもメリットです。仕事のできる幅が広がると今よりも企業から重宝される存在となったり技術者としての付加価値が高まったりします。
一度受講するだけで多くのメリットを得られるため、後に解説する受講対象者に該当する方は、必ず講習を受講してください。
受講対象者・対象業務
刈払機取扱作業者安全衛生教育は、「刈払機を取り扱う作業に従事する方」が受講の対象者です。
これは、刈払機の取り扱いによって起こりうる労働災害の防止を最大の目的に実施されるものです。 刈払機に関しても正しい知識を知らずに使えば周囲の人間を巻き込む大事故につながりかねません。
自分も身を守るためにも、作業従事者は安全衛生教育を修了したうえで刈払機を使用するのがよいといえるでしょう。
このほか、刈払機取扱作業者安全衛生教育の修了に伴って発行される修了証に有効期限が定められていません。姓名が変わった場合に変更の申出をする必要はありますが、基本的に更新や再受講は不要です。
ただし、修了証の発行とあわせて受け渡される受講記録は、事業者の責任で3年間の保管が必要となります。
受講対象者に対して講習の実施を証明するものなので、事業者は紛失しないよう注意して管理しましょう。
受講内容
刈払機取扱作業者安全衛生教育は、学科と実技講習に分かれています。学科では座学で刈払機に関した知識や作業に関係する知識を学びます。実技講習では実際に刈払機を取り扱って作業に関する技術を磨きます。
基本的な刈払機取扱作業者安全衛生教育の講習内容に関しては、以下の通りです。
刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講内容 | |||
---|---|---|---|
種別 | 科目名 | 時間 | 種別別合計 |
学科 | 刈払機に関する知識 | 1時間 | 5時間 |
刈払機を使用する作業に関する知識 | 1時間 | ||
刈払機の点検及び整備に関する知識 | 30分 | ||
振動障害及びその予防に関する知識 | 2時間 | ||
関係法令等 | 30分 | ||
実技 | 刈払機の作業等 | 1時間 | 1時間 |
合計:6時間(学科:5時間、実技:1時間) |
受講方法についてはさまざまな手段がありますが、講習会場に受講しに行く以外の方法で受講する場合、実技講習は事業所で実施しなければなりません。
各事業所にて「実技実施責任者(経験者)」を選任し、工具・機械等を準備しましょう。
その後、実技実施責任者と受講者は同じ場所で対面しながら講習を実施します。
刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講方法
刈払機取扱作業者安全衛生教育を受講する方法には、以下の3つがあります。
刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講方法
- 全国で開催されている講習会に参加する
- 出張講習を依頼する
- Web講座を受講する
講習会に参加する
まず安全衛生教育を受講する1つ目の方法として、全国各地で開催される講習会に参加する方法が挙げられます。
基本的に受講を申し込んで講義に参加するだけなので難しい内容はありません。 ただし、スケジュールを調整して受講しなければならないので、日中が仕事に追われている方であれば受講が難しいといった可能性もあります。
出張講習を依頼する
2つ目が出張講習を依頼して受講する方法です。出張を取り扱っている機関に依頼することで企業の会議室などでも講習を実施できます。
対象者が複数人いたりまとめて受講させたりしたい場合におすすめの方法です。講師の出張費や宿泊費を支払う必要があるため通常よりも金額は高くなりやすいですが、自社のスケジュールで実施日を決められるので、講習会場に足を運ぶ必要がありません。 個人や数人ではなく大人数で受講する場合におすすめします。
Web講座を受講する
3つ目がWeb講座を受講する方法です。個人で受講される方の中で講習会場に足を運ぶのが面倒だったりスケジュールが調整しづらかったりする場合におすすめします。
Web講座は、動画講義を受講する方法なので講師のスケジュールにあわせて予定を調整する必要がありません。 また、一度見逃した内容を見返したり隙間時間を有効活用したりして受講できるので、必要な知識を効率よく身につけられるのが大きなメリットです。
SATでも刈払機取扱作業者安全衛生教育に関して学科のみWeb講座を用意しております。 スマホやタブレットを用いて簡単に受講できるので、講習会に参加するよりも手軽に受講することができるでしょう。
刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講方法でお悩みの方はぜひSATのWeb講座をご検討ください。
刈払機取扱作業者安全衛生教育のポイントまとめ
本記事では、刈払機取扱作業者安全衛生教育に関して概要や受講目的、取得するメリットや受講方法を詳しく解説しました。 ポイントをまとめると以下の通りです。
- 刈払機取扱作業者安全衛生教育は刈払機を正しく取り扱うために必要な知識を学ぶための講習
- 刈払機は刈刃の跳ね返りや転倒などによって労働災害が起こる可能性があるため、防止を目的に受講する
- 講習を受講することで仕事の幅が今よりも広がったり技術者としての付加価値が高まったりする
- 刈払機取扱作業者安全衛生教育は刈払機を取り扱う作業に従事する方が受講の対象
- 講習を受講する方法には、現地開催の講習会に参加する、出張講習を依頼する、Web講座を受講する方法がある
- Web講座であれば自分のタイミングで受講を進められるので、忙しい方にもおすすめ
SATのWeb講座は、分かりやすい解説の動画講義をもとに、日々の隙間時間を有効活用して受講できます。これから刈払機取扱作業者安全衛生教育を受講される方は、ぜひご検討ください。