建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)に合格した者には資格が交付されます。今から試験を受験しようとしている人は、その合格率が気になる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、試験の難易度や合格率を紹介するとともに、おすすめの勉強法についても解説していきます。
目次
建築物環境衛生管理技術者の合格率の推移と難易度
建築物環境衛生管理技術者の合格率
建築物環境衛生管理技術者試験の直近5年間の合格率は、下記のとおりです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和2年度 | 9,924人 | 1,933人 | 19.5% |
令和3年度 | 9,651人 | 1,707人 | 17.7% |
令和4年度 | 9,413 人 | 1,681人 | 17.9% |
令和5年度 | 8,232人 | 1,819人 | 22.1% |
令和6年度 | 7,593人 | 1,759人 | 23.2% |
合格率の推移をみると、傾向としては合格率が10%〜20%程度を推移していることがわかります。
例えば、合格率が低かった年度の翌年は合格率が上がり、逆に合格率が低い年度の翌年は合格率が上がっているといったこともありそうです。
ただし、合格率の高い年度でも合格率は20%を少し超える程度なので、5人に1人しか受からない、かなり難しい試験といえます。
建築物環境衛生管理技術者の試験問題と難易度
建築物環境衛生管理技術者の試験内容は下記7科目から選択式の問題が出題されます。
- 建築物衛生行政概論
- 建築物構造概要
- 室内環境衛生
- 空気環境の調整
- 給水及び排水の管理
- 清掃
- ねずみ、昆虫等の防除
上記7つの科目から計180問出題され、そのうち65%を得点すれば合格することができます。つまり問題数で言うと約117問を正解することができれば良いということになります。
出題される問題のうち約半分程度はテキストを暗記すれば対処できる問題です。しかし、残りの半分は基本的な知識をもとに問題の内容を理解しなければ解けない問題が多く、応用力を求められる構成となっておりそこにつまづく方も多いのが現状です。
例えば、含水率や雑かいの容積質量値を算出する計算など、答えを導き出すのに、途中計算が必要な問題もあります。
そのため、建築物環境衛生管理技術者の試験は、決して甘く考えずにしっかりと勉強する必要があります。
建築物環境衛生管理技術者の資格を取るまでに必要な勉強時間
個人差はありますが、独学で建築物衛生管理技術者試験に合格しようと思ったら勉強時間は約1000時間ともいわれています。平日に2時間、休日に5時間勉強しても、約1年はかかってしまいます。
しかし、効率良く勉強しようと思ったら、ポイントを絞った動画講座が有効です。最短で30日で全てを終えられるカリキュラムがあり、短期集中で頑張れるプランとなっています。
動画教材+テキストが一緒になっており、2つを使用することでより学習の理解度が深まります。
動画教材はオンライン上でも視聴可能です。例えば通勤電車の中でスマートフォンで視聴すると言ったことも可能ですので、働いている社会人の方でも勉強のしやすいツールであると言えるでしょう。
建築物環境衛生管理技術者の資格取得方法
建築物環境衛生管理技術者試験に合格する以外にも、公益社団法人等が開催する講習会を受講することにより建築物環境衛生管理技術者の資格を取得することができます。
試験受験と講習受講での資格取得方法の比較
| 試験受験による資格取得 | 講習受講による資格取得 |
---|---|---|
| 試験概要 | 講習概要 |
受験資格 | 実務経験2年以上 | 実務経験が5年以上 |
受験料 | 13,900円 | 108,800円 |
試験会場 | 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、福岡市 | 東京、大阪 |
勉強時間 | 独学:1000時間 | 約3週間 |
募集人数 | – | 約100人 |
試験日 | 毎年10月の初週の日曜日 | 講習期間中に実施 |
合格発表日 | 10月末(例年) | 講習終了後 |
試験時間 | 午前と午後の計6時間 | – |
試験受験で資格を取得する場合のメリット
試験受験で資格を取得するメリットは、試験の受験資格である実務経験が2年あれば受験できることです。講習受講の場合は実務経験が5年必要となりますので、早く資格が欲しい場合は試験受験する方法を選びましょう。
費用についても、試験は参考書代や試験会場への交通費はかかりますが、最低費用としては受験料の13,900円のみです。
講習の場合だと受験料が108,800円とかなり高額ですし、講習開催場所も限られているため場合によっては滞在費や交通費がさらに必要になります。
講習受講によるメリット
一方、講習を受講する場合にもメリットはあります。講習の受講で一番大きなメリットは、修了考査に合格すれば修了証書がもらえ、厚生労働省に申請を行うことで資格が取得できることです。修了考査は講義にきちんと出席していれば、不合格となることはほとんどありません。
ただし、実務経験が5年以上必要なことや、高額な費用負担があるというデメリットはどうしても大きいです。
ですので、早めにスキルアップをし、活躍の場を増やすためにも短期集中で試験合格をおすすめします。
建築物環境衛生管理技術者の勉強方法
出題される問題数の多さと、出題範囲が広いことが建築物衛生管理技術者試験の特徴となっています。
そのため、まずは覚えるだけで点数につながる暗記を中心にした勉強を行い、ある程度基本事項が身についてきたら過去問を解くことで応用力をつけていくことを実践すると良いでしょう。
勉強を進める際の注意点としては、ただ覚えるだけではなく、問題の意味や答えをしっかりと理解することを心がけましょう。答えの解説などもしっかり読むことで知識として身に付ける事が重要です。問題をみて、その答えをきちんと理解して自分で説明できるようなるまで繰り返し勉強しましょう。
計算問題が苦手という方は、計算問題はある程度パターンが決まっているため、パターンの暗記と考えれば苦手意識も薄まります。
過去に出題された計算問題を何度も繰り返しているうちに、パターンがつかめてきて自然と解けるようになります。
建築物環境衛生管理技術者は試験合格での取得がおすすめ
建築物環境衛生管理技術者試験は合格率が10%〜20%という難易度が高い試験ですが、きちんと理解しながら勉強すれば、合格することが可能な試験です。
この資格を取得することでビルマネジメント業やビルメンテナンス業などの責任者、または、責任者候補に専任されることができる企業も少なくありません。
講習受講による資格取得は確実性がありますが、費用も高いので、基本的には試験合格で取得することをおすすめします。
今回ご紹介した勉強法などを参考にして、ぜひ建築物環境衛生管理技術者を目指してみてください。