工事担任者

【工事担任者】第一級・第二級アナログ通信とは?種別による違いも紹介

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工事担任者とは、アナログ電話回線やデジタルデータ回線を、端末設備などに接続する工事に必要な資格のことです。

工事担任者には5種類の種別があり、扱える回線と工事できる範囲がそれぞれ異なります。

この記事では、それらの種別の中でも第一級・第二級アナログ通信と他種別との違いについてのほか、工事担任の全5種別とそれぞれが扱える工事範囲についても解説します。

【工事担任者】資格の種別とは?

工事担任者とは、アナログ電話回線やデジタルデータ回線などの電気通信回路に、パソコンや電話などの端末設備を接続するための資格です。

国家資格である工事担任者は、情報通信ネットワークの接続技術者として認められます。

工事担任者の資格には、アナログ電話回線をおもに扱う「アナログ通信」、デジタルデータ回線を扱う「デジタル通信」、さらに両方を取り扱うことができる「総合通信」の区分があります。

回線の本数やデジタル信号の入出力速度で工事できる範囲が異なるため、アナログ通信とデジタル通信でさらに第一級と第二級に分類されるのが工事担任者資格の特徴です。

そこで、まずは全5種類ある工事担任者の種別と、工事ができる範囲、接続可能な端末設備を紹介します。

No工事担任者の種別・工事の範囲
1第一級アナログ通信アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力する電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための工事及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事
2第二級アナログ通信アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための工事(端末設備に収容される電気通信回線の数が1のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が基本インターフェースで1のものに限る。)
3第一級デジタル通信デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための工事。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
4第二級デジタル通信デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒1ギガビット以下であって、主としてインターネットに接続するための回線に係るものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
5総合通信アナログ伝送路設備またはデジタル伝送路設備に端末設備などを接続するための工事

出典:一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター

ただし、配線や接続口の移設をせず、プラグジャック方式で端末を接続する場合など、工事担任者の資格が不要な工事もあります。

第一級・第二級アナログ通信の概要


第一級・第二級アナログ通信の工事の内容を踏まえて、両資格を見てみましょう。

第二級アナログ通信は小規模な工事のみ可能

第二級アナログ通信資格で扱えるのは、一般家庭や小規模のオフィスで電話回線が使えるように接続する工事に限られます。

大規模な工事を実施するためには、のちに紹介する第一級アナログ通信を取得する必要があります。

令和3年度からCBT方式の試験が開始された

第二級アナログ通信と第二級デジタル通信の試験は、令和3年度よりCBT方式での試験が導入されました。

CBT方式の試験とは、試験会場のパソコンを使い問題を解いていく方式です。ただし、試験の問題内容などに変更はありません。

第一級アナログ通信は回線数の制限がない

第一級アナログ通信は、第二級アナログ通信と違って工事の回線数の制限はありません。したがって中規模から大型の工事を行うことが可能です。

ただし、第二級アナログ通信よりも試験の範囲は広くなっており、第二級より以下の内容が追加されています

  • PBX等
  • 電波妨害、雷サージ対策
  • 事業用電気通信設備、PBX等の工事と工事試験、
  • 工事の設計管理・施工管理、端末設備等の運用管理・保守管理技術、
  • 呼の性質、出線能率、即時式トラヒックと待時式トラヒック等
  • 情報セキュリティ管理

出典:一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター

アナログ通信と他種別の比較

ここからは、アナログ通信と他種別の比較を見ていきましょう。

第一級デジタル通信との比較

第一級デジタル通信は、すべてのデジタルデータ回線工事を扱えるデジタル通信資格の最上位資格です。

回線の入出力速度の制限がないため、大型IP-PBXから、企業のTV会議システムまで、あらゆる端末設備を対象にした幅広い工事に携わることができます。(※IP-PBX:電話回線を利用した従来のビジネスフォンをIP電話化するもの)

試験の難易度は、アナログ通信とデジタル通信には大きな差はありません。ただしアナログ・デジタル共に第二級の方が合格率が高く、第一級の方が合格率が低くなっています。

総合通信との比較

総合通信とは、アナログ・デジタルの両方の回線と端末設備などの接続工事に携われる資格です。

電話回線やインターネット回線を端末設備に接続する工事から、データセンターなどの複雑かつ大規模な工事まで、オールマイティーに活躍できるのが総合通信の特徴です。

総合通信は、第一級デジタル通信と第一級アナログ通信をそれぞれ取得したうえで、所定の申請をすると資格が得られます。

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アナログ通信資格とデジタル通信資格の工事範囲をすべて扱うことができ、かつ高度なスキルが求められます。そのため、総合通信は、工事担任者資格の最上位の位置づけとなります。

工事担任者資格の試験制度変更について

以前までは第一種から第三種という資格区分でしたが、令和3年4月1日より試験制度が変更されました。

第一種は第一級、第三種は第二級に改称されますが、第二種はアナログ通信、デジタル通信ともに需要が少なかったこともあり、廃止されることになりました。

ただし交付済みの工事担任者資格者証は引き続き有効で、工事、監督の範囲に変更はありません。また、試験科目は従来どおりで科目合格の有効期間(3年間)も引き続き有効です。

加えて、科目免除資格が追加されました。電気通信主任技術者資格や無線従事者資格などを有している方だけでなく、電気通信工事施工管理技術検定(二級の第一次検定を除く)でも科目免除が可能です。

必要な情報を確認して、自分に適した資格の取得を目指しましょう。

アナログ回線を扱うアナログ通信資格に需要はある?

インターネットの普及でIP電話が拡大しつつありますが、アナログ回線の固定電話は災害時に強いというメリットがあります。

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地震などの自然災害が多い日本にとって、アナログの電話回線は災害時の緊急連絡用に役立つのです。

しかし、固定電話の契約数の減少に加え、アナログ通信資格のみで扱えるISDN回線も、アナログ回線の廃止にともない2024年1月にサービスが終了しました。

もし工事担任者として今後働くのであれば、アナログ通信資格だけでなくデジタル通信資格、または総合通信を取得したほうがより仕事の幅は広がるでしょう。

第一級・第二級アナログ通信は通信講座で試験対策可能

自慢のSAT教材の内容をぜひご確認ください。

第一級・第二級アナログ通信は工事担任者資格の一つです。デジタル通信よりは近年需要が低下はしていますが、災害時などの緊急時にはまだまだ利用される可能性があります。

そして、第一級アナログ通信の資格取得のための勉強は、通信講座でも可能です。

例えばSATの工事担任者講座では、講義映像とオリジナルテキスト24時間365日オンラインでの受講が可能です。講義映像はオンラインでも視聴が可能なので、スマートフォンを使って電車の中で視聴するといったスキマ時間での学習もできます。

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SATでは第一級アナログ通信の他に、第一級デジタル通信や総合通信の講座も取り扱っています。工事担任者資格の取得を目指している方は、スキマ時間でも勉強ができる通信講座をおすすめします。

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