工事担任者

第一級デジタル通信の合格率は25%〜30%前後!難易度を解説

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工事担任者は、インターネットやIP電話といった電気通信回線の端末設備の接続工事に携われる国家資格です。

デジタル通信資格にはアナログ通信とデジタル通信の区分があり、第一級デジタル通信を取得すると、ISDNを除く全てのデジタル回線を扱うことが可能です。

そこで本記事では、第一級デジタル通信の試験科目、また難易度や合格率を資格取得のメリットとあわせて紹介します。

第一級デジタル通信試験の試験科目と難易度

第一級デジタル通信の試験科目と、工事担任者資格における難易度について見ていきましょう。

第一級デジタル通信の試験科目

第一級デジタル通信の試験科目と、各科目で問われる内容は次のとおりです。

第一級デジタル通信の試験科目
科目内容
基礎科目
(電気通信技術の基礎)
電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の基礎
電気通信(伝送理論、伝送技術)の基礎
技術および理論科目
(端末設備の接続のための技術および理論)
端末設備の技術
接続工事の技術
ネットワークの技術
情報セキュリティの技術
法規
(端末設備の接続に関する法規)
電気通信事業法およびこれに基づく命令
有線電気通信法およびこれに基づく命令
不正アクセス行為の禁止などに関する法律
電子署名および認証業務に関する法律およびこれに基づく命令

出典:一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター

各科目の試験は100点満点で、合格には60点以上の得点が必要です。

また、一部の科目で60点以上の得点があった場合、「科目合格」として次回以降の試験で科目免除が受けられます。

科目合格の有効期限は、科目合格した試験の月の翌月初めから起算して、3年以内の最後の試験の申請受付期間最終日です。

科目合格のほかに、資格や実務経験による科目免除制度もあります。資格での科目免除は、工事担任者資格や電気通信主任技術者資格、無線従事者資格などを持つ場合が対象です。

一方、実務経験での科目免除は、第一級デジタル通信が扱う範囲の端末設備などの接続工事に1年以上従事した人が対象です。

ただし、実務経験が1年以上2年未満の場合は、アナログ第3種、デジタル第3種、AI第3種(第二級アナログ通信)、DD第3種(第二級デジタル通信)いずれかの資格を取得している必要があります。

第一級デジタル通信の難易度

工事担任者資格には、アナログ通信とデジタル通信の区分があり、それぞれに第一級と第二級の種類があります。

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いずれも第二級の試験は比較的難易度が低く第一級の難易度が高くなるのが特徴です。

試験問題に関してですが、「技術」および「理論科目」は比較的難易度が低いといわれており、「法規科目」の「端末設備等規則」に規定されている数値に関する問題が最高難度といわれています。

ですが、「技術」および「理論科目」は出題範囲が広い分、対策が難しいという面があります。

さらに最新技術の問題が出るケースもありますので、勉強時間をできるだけ多く割くことを意識しましょう。

令和3年4月1日から試験制度が改正された

第一級デジタル通信は、元々“工事担任者DD種”という資格の名称で、DD第一種からDD第三種までの資格区分がありました。

しかし、令和3年4月1日より試験制度が変更され、それにともない、第一種が第一級、第三種が第二級へと名称が変わりました。

第二種はアナログ通信、デジタル通信ともに受験者数が少ないこともあり廃止されました。

ただし、交付済みの工事担任者資格者証は引き続き有効で工事、監督の範囲に変更はありません。また、試験科目は従来どおりで科目合格の有効期間(3年間)も引き続き有効です。

加えて、科目免除資格が追加されます。電気通信主任技術者資格や無線従事者資格などを有している方だけでなく、電気通信工事施工管理技術検定(二級の第一次検定を除く)でも科目免除が可能とのことです。

第一級デジタル通信の合格率は低め

工事担任者の試験は、年2回実施されています。ここで、過去の試験の第一級デジタル通信の合格率を見てみましょう。

第一級デジタル通信 試験合格率
試験時期合格率
令和6年度 第1回21.7%
令和5年度 第2回25.2%
令和5年度 第1回27.4%
令和4年度 第2回28.1%
令和4年度 第1回32.3%

出典:一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター

表を見ると、25%〜30%前後で推移しています。試験の難易度は高いといえますが、科目合格による科目免除の制度を活用すると効率的な試験対策ができます。

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なぜなら、先に基礎科目と法規科目に合格しておくことで、次回受験時には多くの勉強時間が必要な技術および理論科目の勉強に集中できるからです。

工事担任者の試験は難易度が高いものの、各科目100点満点で60点以上獲得すれば合格できます。科目免除の期限も3年以内と長いため、時間をかけて第一級デジタル通信を取得するのも一つの手です。

第一級デジタル通信工事担任者を取得するメリット

工事担任者のなかでも難易度が高い第一級デジタル通信を取得すると、以下のようなメリットが得られます。

技術力を証明できる

工事担任者資格に合格すると交付される資格者証は、技術力の証です。工事担任者資格は、一般家庭で工事することも多く、資格者証は顧客にとって安心材料になります。

また、資格を取得すると社内評価につながり、資格手当などの収入アップも期待できるでしょう。

情報通信エンジニア資格を取得できる

情報エンジニア資格とは、工事担任者の技術と地位の向上を目指す認定資格です。

情報通信エンジニア資格は最新技術と高いスキルを持つ証になり、保有していれば通常の工事担任者と差をつけることができます。

情報通信エンジニア資格の取得に特別な試験は必要ありません。工事担任者の資格者証の受領直後に申請し、書類審査を通過すれば取得が可能です。

ただし、工事担任者資格者証の交付から10ヵ月以上経過した場合、申請後に認定講習を受講する必要があります。

第一級デジタル通信は難易度が高いが受験のチャンスは多い

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第一級デジタル通信は、ISDNを除くすべてのデジタル回線における端末設備などの接続工事に携われる資格で、合格率は25%〜30%前後と難易度が高い傾向です。

技術および理論科目は難易度がやや低い反面、出題範囲が広く、最新技術の問題も出題されるので時間をかけて勉強する必要があります。

科目合格制度を利用し、基礎科目と法規科目を先に合格しておくと効率的に資格を取得できるでしょう。

インターネット回線の工事に携わる方は、第一級デジタル通信を取得することで、技術力を形として証明できます。

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情報通信エンジニアを取得するとさらに高い技術力を証明できるため、工事担任者を取得したらこちらも申請することをおすすめします。

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