土木施工管理技士

【令和6年度改正】2級土木施工管理技士の受験資格を分かりやすく解説!

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2級土木施工管理技士の試験は第一次検定と第二次検定の2つがあり、この両方に合格することで資格を取得することができます。ただし、第一次検定と第二次検定にはそれぞれ受験資格があります。

特に第二次検定の受験資格に関しては令和6年度の試験より変更されたので、今回はそんな2級土木施工管理技士の受験資格について細かく解説しています。ぜひ最後まで目を通してください。

受験資格と内容の違い

まずは2級土木施工管理技士の受験概要について、解説していきます。なお詳細の情報に関しては、試験実施機関である一般財団法人 全国建設研修センターのホームページをご確認ください。

受験方式

冒頭でも触れましたが、2級土木施工管理技士の試験は、第一次検定と第二次検定があります。どちらも合格して始めて「2級土木施工管理技士」の免状を得ることができます。第一次検定のみ、第二次検定のみの受験も可能ですし、同日に同時に受験することも可能です。

2級の場合、第一次検定は前期(種別土木のみ)と後期の年に2回実施されます。第二次検定は年に1回のみの実施です。第一次検定の後期試験と第二次検定は同日に実施されるため、同時受験が可能です。

受験料

第一次検定のみ/第二次検定のみ:5,250円(非課税)
第一次検定・第二次検定の同時申込:10,500円(非課税)

試験会場

こちらは令和6年度試験の2級土木施工管理技士の試験会場です。

1)第一次検定(前期)※種別は土木のみ実施
札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区

2)第一次検定(後期)※種別:土木
札幌、釧路、青森、仙台、秋田、東京、新潟、富山、静岡、名古屋、大阪、松江、岡山、広島、高松、高知、福岡、鹿児島、熊本、那覇の20地区 
※鋼構造物塗装と薬液注入の各種別は、札幌、東京、大阪、福岡の4地区のみで実施

3)第一次検定・第二次検定
2の試験地から熊本を除外した19地区
※鋼構造物塗装と薬液注入の各種別は、札幌、東京、大阪、福岡の4地区のみで実施

試験内容

令和5年度に実施された試験を例に、試験内容を紹介します。

1)第一次検定

試験方法:四肢択一のマークシート方式
試験時間:2時間10分
出題数/必要解答数:61問/40問

試験科目

分野出題数必要解答数選択/必須
土木一般11問9問選択問題
専門土木20問6問選択問題
法規11問6問選択問題
共通工学・施工管理法11問11問必須問題
施工管理法(基礎的な能力)8問8問必須問題

2)第二次検定

試験方法: 記述式
試験時間:2時間
出題数/必要解答数:9問/7問

試験科目

出題区分出題数解答数選択/必須
施工経験記述1問5問必須
安全管理1問
環境管理1問
土工1問
コンクリート1問
品質管理1問1問選択
品質管理1問
安全管理1問1問選択
工程管理1問

土木施工管理技士試験は必須問題と選択問題がありますので、必要解答数さえ満たせば得意な科目以外は数問飛ばすことができます。ただし、試験実施年度により問題数など変更する可能性もあるため、受験前に最新情報を確認しておきましょう。

【制度改正】2級土木施工管理技士の受験資格は?

2級土木施工管理技士の受験資格は、第一次検定と第二次検定で異なる部分があります。第一次検定より第二次検定の方が複雑な傾向です。

また令和6年度より施工管理技士試験の新しい試験制度が開始されました。ただし、令和10年度までは制度改定の移行期間として、旧受験資格でも受験が可能です。

ここからは、第一次検定・第二次検定両方受験する方と第二次検定のみを受験する方の新旧受験資格を両方紹介します。

第一次検定の受験資格

第一次検定の受験資格は、試験年度中における年齢が満17歳以上の方となっています。

第一次検定のみの受験であれば、実務経験は問われません。

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第一次検定の受験資格に関しては、新制度・旧制度ともに同じです。

【令和6年度より新制度】第二次検定の受験資格

第二次検定に関しては、受験時に実務経験が必要になります。そして、新旧の受験資格では実務経験の年数に違いがあります。下記の表をご覧ください。

2級土木施工管理技士 受験資格【令和6年度以降】
受験資格要件実務経験年数
令和3年度以降の
1級土木施工管理技士
第一次検定合格者
合格後、1年以上の実務経験年数
令和3年度以降の
2級土木施工管理技士
第一次検定合格者
合格後、3年以上の実務経験年数
技術士第二次試験合格者合格後、1年以上の実務経験年数

引用:全国建設研修センター

以上が新しい受験制度です。後ほど紹介する旧制度よりわかりやすくなりました。

大きな変更点として、旧制度では学歴別で実務経験年数が分かれていましたが、新制度では第一次検定に合格した後の実務経験年数が問われるようになりました。

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1級土木施工管理技士の第一次検定の受験資格も学歴や実務経験年数を問わず19歳以上であれば受験可能になったため、旧制度よりも受験のチャンスが拡大されたと言ってよいでしょう。

【旧制度】第二次検定の受験資格

先ほども触れましたが、令和10年度までは旧制度の受験制度も適用されます。

旧制度の第二次検定の受験資格は以下のいずれかに該当する方になります。イは、第一次検定と第二次検定を同時に受験する方を指しています。

当年度の2級土木施工管理技術検定・第一次検定の受験者(「第一次検定のみ受験者」を除く)
(1)令和2年度2級土木施工管理技術検定 学科・実地試験の学科試験合格者
(2)平成28年度の学科試験のみ合格者で、2級土木施工管理技術検定 第二次検定の受検資格を有する者
(3)技術士法による第二次試験のうち技術部門を建設部門、上下水道部門、農業部門(選択科目を農業土木とするものに限る)、森林部門(選択科目を森林土木とするものに限る)、水産部門(選択科目を水産土木とするものに限る)又は総合技術監理部門(選択科目を建設部門若しくは上下水道部門に係るもの、「農業土木」、「森林土木」又は「水産土木」とするものに限る)に合格した者で2級土木施工管理技術検定 第二次検定の受検資格を有する者
(4)学校教育法による大学を卒業した者で在学中に施工技術検定規則(以下「規則」という)第2条に定める学科を修め、かつ、卒業後1年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格(在学中の合格も含む。以下同じ。)し、卒業した後4年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験(第二次検定)を受験しようとする者で土木施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
(5)学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者で在学中に規則第2条に定める学科を修め、かつ、卒業後2年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格し、卒業した後5年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験(第二次検定)を受験しようとする者で土木施工管理に関し2年以上の実務経験を有する者
(6)学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者で、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による大学を卒業(短期大学又は高等専門学校在学中及び大学在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る)し、短期大学又は高等専門学校を卒業した後6年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験(第二次検定)を受験しようとする者で土木施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
(7)学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で在学中に規則第2条に定める学科を修め、かつ、卒業後3年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格し、卒業した後6年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験(第二次検定)を受験しようとする者で土木施工管理に関し3年以上の実務経験を有する者
(8)学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業(高等学校又は中等教育学校在学中及び短期大学又は高等専門学校在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る)し、高等学校又は中等教育学校を卒業した後7年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験(第二次検定)を受験しようとする者で土木施工管理に関し2年以上の実務経験を有する者
(9)学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による大学を卒業(高等学校又は中等教育学校在学中及び大学在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る)し、高等学校又は中等教育学校を卒業した後8年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験(第二次検定)を受験しようとする者で土木施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者

ロの(1)と(2)は、旧制度の学科試験に合格した方を指しているのが特徴です。

その他は、指定の学歴を満たす、もしくは技術士法の第二次試験で指定科目を合格した方を対象としています。

ロの(3)のみ技術士法の第二次試験において指定科目を合格し、2級土木施工管理技術検定の第二次検定受検資格も持っていることが条件です。技術士法を受験していない方は、ロの(4)~(9)も確認してみるのがおすすめです。

ロの(4)~(9)は、高等専門学校・短期大学・大学いずれかを卒業し、指定期間以内に2級土木施工管理技術検定の旧学科試験を合格している必要があります。また、旧学科試験合格後に実務経験も必要ですが、必要な年数については各受験資格によって異なります。

2級土木施工管理技士の実務経験とは?

2級土木施工管理技士の受験資格にある実務経験とは、土木工事の施行に直接的に関わる技術上の職務経験をいいます。

具体的な2級土木施工管理技士の実務経験の範囲は、下記のとおりです。

<種別:土木>
土木工事業、とび・土工・コンクリート工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、水道施設工事業、解体工事業

<種別:鋼構造物塗装>
塗装工事業

<種別:薬液注入>
とび・土工・コンクリート工事業

業務内容としては、以下3点のうち1つには該当している必要があります。

①受注者(請負人)として施工を指揮・監督した経験
※施工図の作成や補助者としての経験も含む

②発注者側における現場監督技術者等
※補助者としての経験も含む

③設計者等による工事監理の経験
※補助者としての経験も含む

ただし、以下に該当する場合は“施行に直接的に関わらない”として実務経験として認められていません。

  • 施工に直接関わらない設計のみの経験
  • 建設工事の単なる雑務や単純な労務作業、事務系の仕事に関する経験

引用:全国建設研修センター

職務経験①~③のいずれかの実務経験は、検定実施日の前日までに満たしている必要があります。

ただし、先ほども解説した通り第一次検定のみの受験であれば、実務経験は必要ありません。実務経験がない場合は、まず第一次検定を受験し実務経験を積んで、第二次検定に合格するという方法も可能です。

実務経験証明書は職場で発行されますので、自身が該当するか、また試験前日までに満たすことができるかは、職場に確認をしておくことが重要です。また、早めに発行してもらうよう、適宜職場へ働きかけることも大切です。

2級土木施工管理技士を取得するメリット

最後に2級土木施工管理技士を取得するメリットを紹介します。

昇給や転職に有利になる

2級建築施工管理技士の資格を取得すれば、建築業の許可を得ている業者が工事を施工する際、元請け・下請け問わず必ず専任しなければならない、主任技術者になることができます。

法律で配置が決められているので、常に需要はあります。技術者達を束ね、施工管理全般を行う仕事なので出世のチャンスも高まります。資格手当などを給与に上乗せする会社も多いので、昇給する可能性も高くなるでしょう。

また、よりよい待遇を求めて同業他社に転職する場合も、資格は強力な武器になります。特に、施工管理技士として経験があれば30代以降でも有利な条件で転職しやすいです。

1級を取得するとさらにメリットがある

上位資格である土木施工管理技士の1級を取得すれば、主任技術者だけでなく監理技術者にもなれます。監理技術者とは、建設業許可を得ている業者が工事を行う際、下請契約の請負代金額の合計が一定額を超えた場合に配置が必要な技術者です。

つまり、1級を取得すればより大規模な工事現場の施工管理が可能になり、仕事の幅が広がります。需要も2級よりも1級のほうが高いので、2級を取得した方は、ぜひ1級取得も目指しましょう。

なお、2級を取得すれば実務経験が1級の受験資格を満たしていなくても、1級の第一次検定を受けることができ、合格すれば技士補の資格を取得できます。

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2級土木施工管理技士の受験資格のまとめ

2級土木施工管理技士の第一次検定の受験資格は?

2級土木施工管理技士の第一次検定のみの受験資格は、満17歳以上です。実務経験などは定められていません。

ですから、高校在学中でも取得が可能です。高校・専門学校・大学などで専門学科に在籍している場合、在学中に2級の第一次検定だけ取得しておけば、土木施工管理技士の実務経験を積みやすくなります。

2級土木施工管理技士の第二次検定の受験資格は?

2級土木施工管理技士の第二次検定の受験資格は、令和6年度からの新制度とそれ以前の旧制度で違いますが、いずれも実務経験を一定年数積む必要があります。

新制度では1級または2級の第一次検定の合格後からの年数が問われ、旧制度では学歴によって必要な年数が異なっています。

2級土木施工管理技士の実務経験とは?

2級土木施工管理技士の実務経験とは、監督や現場管理の仕事です。補佐役でも構いません。

なお、土木工事に関する雑務や、事務仕事は実務経験に含まれません。注意してください。

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