エネルギー管理士

【2024年版】エネルギー管理士とは?資格概要、難易度、合格率など徹底解説!

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エネルギー管理士は、電力や燃料などのエネルギーを多く使う工場の省エネルギー化と、地球環境の保全を支える国家資格です。

いわば省エネの専門家といえる資格で、エネルギー資源の少ない日本にとって重要な役割を持ちます。

こちらでは、エネルギー管理士の基礎知識と概要、試験の難易度と合格率、合格に向けた勉強法や通信講座の利用について解説します。

エネルギー管理士について

エネルギー管理士の基礎知識と資格の詳細、資格を活かせる場所と将来性について見ていきましょう。

エネルギー管理士とは

エネルギー管理士とは、省エネ法の制定にともない、エネルギーの有効活用を目的に定められた資格です。

かつて存在したエネルギー管理資格である「電気管理士」と「熱管理士」が一本化されたことで誕生しました。

製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種の工場において、熱や電気の年間使用料が原油換算で3,000kl以上ある場合は「第一種エネルギー管理指定工場」に指定されます。

指定工場ではエネルギー使用量に応じて、エネルギー管理士の有資格者を1~4人選定する必要があります。

エネルギー管理士の試験は、受験資格がないので、誰でも受験することができます。

ただし、免許を取得するには、エネルギー使用の合理化に関する業務に1年以上従事しなければなりません。

また、エネルギー使用の合理化に関する実務経験が3年以上ある方は、国家試験を受験する必要はなく、認定研修を修了すれば免許を取得できます。

エネルギー管理士の活躍する場所

エネルギー管理士の資格は、指定工場に該当する5業種で活躍できます。エネルギー使用量が多い大規模な工場で必要な資格なので、大企業、もしくは中規模の企業で働くケースが多いようです。

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エネルギー管理士の有資格者は不足しているため、就職や転職で有利になるうえに、昇給や昇進も期待できるでしょう。

エネルギー管理士の将来性

エネルギー管理士は、指定工場の5業種で必須の資格です。

具体的には自動車工場や電子機器工場、化粧品工場、食品工場などの電気や石油エネルギーの消費が多い工場で仕事に従事できます。

近年、電気供給業では、太陽光発電を中心に様々な発電設備が多く開発されているため、今後の需要も増加する可能性が高いです。

エネルギーに関係する仕事場所へ就職する方は、エネルギー管理士を取得しておくと将来的に役立つ資格となるでしょう。

エネルギー管理士に向いている人

エネルギー管理士は、熱分野と電気分野の2分野で構成されているため、理工系の知識を有している方向けの資格です。

免許は、国家試験合格後に1年間の実務経験を積むか、3年以上の実務経験を積んで認定講習を受講することにより取得できます。

エネルギー管理士の実務経験は必須なので、国家試験にだけ合格しても免許は取得できません。

そのため、現在エネルギーに関する現場に勤めている方やこれから勤めることを考えている方は、
エネルギー管理士に向いていると言えるでしょう。

【2024年版】エネルギー管理士試験の概要とスケジュール

エネルギー管理士は、1年に1回のみ試験が実施されます。申込期限や受験地なども限られるため、事前に試験についての情報を集めておきましょう。

試験の概要

エネルギー管理士試験の概要については、次の通りです。

・申込期間(および受験手数料の入金期限)
4月の上旬〜中旬から6月上旬~中旬
※ 2024年は4月5日(金)〜6月19日(水)の期間

・申込方法
郵便又はインターネット※

・試験日
7月下旬~8月上旬の日曜日
※ 2024年は8月4日(日)に実施

・合格発表
9月中旬〜下旬ごろ発表
(HPで発表。合否通知書も送付)
※ 2024年は9月17日にHPで発表。

・試験形式
マークシート方式の筆記試験(穴埋め選択問題)

・受験費用
受験料17,000円(非課税)※
※旧制度からの経過措置により、1科目のみの受験は10,000円(非課税)

・受験地
北海道、宮城県、東京都、愛知県、富山県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県

・受験資格
受験資格なし※
※取得前後に1年間の実務経験が必須

上記がエネルギー管理士試験の概要です。

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受験料が他の試験よりも高いため、挑戦する際には勉強の計画を立てて、少ない回数での取得を目指しましょう。

受験科目と試験当日のスケジュール

エネルギー管理士は、熱分野と電気分野の2分野で構成されていますが、受験科目や試験当日のスケジュールはどう違うのでしょうか?

受験科目と試験時間について、それぞれ見ていきましょう。

【必須共通科目】

エネルギー総合管理及び法規80分

【熱分野】

熱と流体の流れの基礎110分
熱利用設備及びその管理110分
燃料と燃焼80分

【電気分野】

電気設備及び機器110分
電力応用110分
電気の基礎80分

上記が試験当日のスケジュールです。

実施される科目の順番については、ここ近年で変化しているため、受験案内が行われた際に必ず確認してください。

また、合格基準についてですが、それぞれの科目において「総得点の60%以上」が合格ラインです。

次のセクション以降で紹介する資格の難易度や勉強法について確認しながら、エネルギー管理士に合格するための計画を立ててください。

エネルギー管理士の合格率と資格難易度

エネルギー管理士の国家試験の合格率と、資格の難易度を紹介します。

エネルギー管理士の合格率

一般財団法人省エネルギーセンターが発表したデータによると、2024年度エネルギー管理士試験の合格率は「36.8%」という結果でした。ちなみに2023年度は37.8%、2022年度は33.9%です。それ以前には20%後半の合格率の年度もあります。

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過去数年間で見るとおおよそ30%前後を推移していることから、3割程度がエネルギー管理士の合格率と見ていいでしょう。

エネルギー管理士は狭き門

国家資格であるエネルギー管理士は、ビルメンテナンス関連の資格で難易度の高い上位資格といわれています。指定工事におけるエネルギー管理士の仕事は、エネルギー管理士が必須の独占業務です。

実際の合格率の低さから分かるように、エネルギー管理士は難易度が高い狭き門といえるでしょう。

エネルギー管理士の勉強方法【熱分野・電気分野】

熱管理士と電気管理士が一本化されたこともあり、必須科目のほかに、選択専門科目として、「熱」または「電気」のどちらか1つを選択します

そこで、選択科目を選ぶポイントと試験内容、効果的な勉強方法について見ていきましょう。

熱分野

エネルギー管理士熱分野 自慢のSAT教材の内容をぜひご確認ください。

まずは熱分野の勉強方法から解説していきます。

熱に関する知識や経験を持っている方は、熱分野を選択すると有利になります。具体的には、ボイラー技士や電験三種といった資格を取得している、もしくは熱力学や流体工学などの工学を修了、空調設備の管理経験があるといった方です。

熱分野の選択科目の試験内容は、3つの分野から出題されます。各分野で勉強すべきポイントを踏まえ、効率的な受験対策の参考にしてみてください。

・熱と流体の流れの基礎(熱力学の基礎、流体工学の基礎、伝熱工学の基礎)
大学レベルの問題が出題されるため、熱の分野で一番難しいとされています。配点が高い「熱力学の基礎」を重点的に勉強すること、熱計算の計算方法に慣れておくのがポイントです。

・燃料と燃焼(燃料および燃焼管理、燃焼計算)
「燃料および燃焼管理」は、気体や液体などの各種燃料の特性、重油に関する問題などが出題されます。暗記で解ける問題が多いので、過去問を使って知識を増やしましょう。また、燃焼計算は解き方のパターンが決まっているので、この分野は高得点が取りやすいといえます。

・熱利用設備およびその管理(計測および制御、熱利用設備)
この分野は必須問題と選択問題に分かれており、必須問題は熱利用設備に関わる知識や、ボイラーやタービンに関する問題が出題されます。ボイラー技士などビルメンテナンス関連の資格と同じような問題なので、比較的対策しやすい問題です。

一方、選択問題は熱交換器や冷凍・空気調和設備、工業炉、上流、蒸発といった熱利用設備に関する内容です。設備管理の実務経験がある方は、業務と関連のある施設の問題を選択するといいでしょう。

電気分野

続いて電気分野の勉強方法を見ていきましょう。

電気分野が適している人は、電験1~3種や電気工事士の資格を取得している、大学で電気工学や電子工学を修了した、電気設備の保安業務に就いているなどが挙げられます。

また、電気分野の試験は電験三種がベースとなっているため、電験3種を取得していると有利です。

電気分野の試験内容と、各問題の勉強法は次の通りです。

・電気の基礎(電気および電子理論、自動制御および情報処理、電気計測)
この分野の問題は電験3種と電験2種と関連しているため、電験の問題集でも対策できます。頻出の不平衡の問題は、ベクトル図と複素数計算の勉強が欠かせません。そして、電気計算は問題集で演習を積む、パターン化されている自動制御は過去問の演習、電気計測は電圧計法などの公式を覚えることが勉強のポイントです。

・電気設備および機器(工場配電、電気機器)
この分野も電験3種との共通点が多いため、電験3種の問題集を活用できます。工場配電は過去問と同じパターンの問題が中心なので、過去問の演習で対策可能です。電気機器は、特殊かご形誘導機とインバータによる速度制御がよく出るので、電験3種の機械分野と過去問を使って勉強しましょう。

・電力応用(電動力応用、電気加熱、電気化学、照明、空気調和)
必須問題の電動力応用は、高校の物理が理解できれば解けるレベルの問題が多く出題されます。ポンプや送風機、誘導機制御の知識が必要なので、エネルギー管理士の参考書でしっかり勉強しましょう。

選択問題は、電気加熱、電気化学、照明、空気調和から2つを選択します。電験3種を取得している人は、共通点が多い電気加熱と照明から選ぶといいでしょう。

電気加熱は語句問題と計算問題が出題されますが、過去問の演習で対応できます。電気化学は頻出のファラデーの法則を理解する、照明は光源の種類や特徴といった知識を深めることがポイントです。また、空気調和は電験3種では対応できないため、エネルギー管理士の電気科目の参考書やテキストで勉強しましょう。

分野に関わらず通信講座での勉強はオススメ

熱と電気に関わらず、問題集や過去問で独学するのは難しい、どうしても苦手な問題があるという方は、通信講座で勉強する方法もおすすめです。

講義を収録した動画とテキストで勉強できるので、独学よりも理解しやすいというメリットがあります。また、問題ごとに講座が分かれているので、苦手な問題だけを対策することも可能です。

SATの通信講座では購入前に講義映像もサンプルで見ることもできるので、ぜひこちらもご覧ください。

エネルギー管理士の資格は転職でも有利になるので、独学と通信講座を上手に使い分けるといいでしょう。

上位資格のエネルギー管理士取得を目指そう

製造業などでエネルギー管理に携わっている方にとって、エネルギー管理士は必須の資格です。

難易度が高い試験といわれていますが、電験三種の勉強経験や大学での勉強が活かせるので、しっかり対策をすれば合格できるチャンスは十分あるでしょう。

熱分野と電気分野は知識がある方を選ぶと、勉強しやすいうえに高得点を狙えるはずです。また、独学で勉強することに行き詰まった場合は、通信講座を活用することもオススメします。

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