消防設備士乙種6類は、主に消火器の整備と点検を行うことができる資格で、消防設備士の資格の中でも1番受験者数が多い人気の国家資格です。
消火器は社会全体で非常に多く必要とされているものです。そのため、消火器の整備と点検を行うことができる消防設備士乙種6類の需要は、非常に多いと言えるでしょう。
この記事では、消防設備士乙種6類(消防乙6)の合格率についてと、勉強方法について解説しています。
目次
消防設備士乙6の合格率は35%~40%
まず、消防設備士乙種6類のここ数年間の合格率の傾向と合格率を見ていきましょう。
消防設備士 乙種6類 合格率 | |||
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年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度 | 25,136人 | 9,567人 | 38.1% |
令和4年度 | 25,023人 | 9,712人 | 38.8% |
令和3年度 | 25,634人 | 10,240人 | 39.9% |
令和2年度 | 20,955人 | 8,944人 | 42.7% |
令和元年度 | 21,333人 | 8,176人 | 38.3% |
平成30年度 | 21,194人 | 8,476人 | 40.0% |
平成29年度 | 21,623人 | 8,188人 | 37.9% |
上記を見る限り、消防設備士乙6の合格率は35%~40%と言って良いでしょう。
さらに受験者数で見てみましょう。消防設備士乙種6類の受験者数は毎年約20,000人から25,000人程なので、計算すると毎年13,000人から15,000人程度が不合格になっていることがわかります。こう見ると、毎年多くの受験者が試験に落ちているということが実感できる方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、消防設備士乙種6類には鑑別という実技試験が出題されます。鑑別はマークシートではなく、記述式となり正確な回答が必要です。この鑑別の問題は、他の試験には見られない特殊な問題なので、戸惑う方も少なくありません。そのため、鑑別の問題で躓いてしまい、その点も合格率を下げている理由の1つである可能性があります。
以上のことから、毎年多くの受験者が試験で不合格になっていることが分かります。
消防設備士乙種6類の試験の難易度はそこまで高くないと言われていますが、不合格者の数や合格率から見ると、しっかりとした対策を行わないと不合格になってしまう可能性は十分にあり得ます。
消防設備士乙種6類と他の資格の合格率比較
ここまで消防設備士乙種6類の合格率をみてきました。では他の消防設備士の難易度と比較してどうなのでしょうか。あわせて、他の関連資格との合格率の比較もしていきましょう。
消防設備士の中での比較
まず乙種の上位ともいえる甲種の合格率ですが、乙種とはそこまで大きく合格率は変わりません。
例えば、消防設備士の中でも2番目に人気のある消防設備士乙類4類の令和5年度の合格率は34.4%でした。消防設備士乙種4類の過去数年間をみても30〜35%前後の合格率を推移しており、合格率に大きな変動は見られません。
消防設備士乙種6類の合格率は高い年で40%程なので、他の消防設備士の合格率と比べれば若干高い傾向がありますが、年度により幅もあることを考えると合格率に大きな差があるとは言えないでしょう。
他の資格との比較
消防設備士乙種6類は、設備管理やビルメンテナンス業界で需要のある資格です。そこで、設備管理業界に関連する他の資格と消防設備士乙種6類の合格率を比較してみましょう。
例えば、設備管理業界でも高い人気を誇る資格の1つに、第二種電気工事士があります。第二種電気工事士も毎年受験者数が10万人を超えるほど人気な国家資格です。第二種電気工事士は消防設備士とも関わりが深く、両方の資格を取得している方も少なくありません。
第二種電気工事士の合格率は、筆記試験が50%〜60%程で、実技試験が60〜70%程です。試験内容も全く違うので簡単に難易度は比較できませんが、合格率だけで比較するなら、消防設備士乙種6類の方が合格率が低く、難易度が高いということになります。
消防設備士乙種6類に合格するための方法
ここからは、消防設備士乙種6類に合格するための勉強法を確認していきましょう。
初めての受験なら、最低3ヶ月前から勉強を始める
消防設備士乙種6類の勉強期間は、一般的に独学で約1~3ヶ月程と言われています。
以前に別の種類の消防設備士の試験を受験されている方なら、さらに余裕をもって試験に挑めるでしょう。
人によっては普段忙しくて勉強時間がなかなか確保できないという方もいらっしゃると思います。忙しい方は、より長い勉強期間を設けておく方が確実でしょう。
上記の期間は、あくまで目安です。ご自身のスケジュールとよく相談して勉強の計画を立てて下さい。
寝る前に勉強してしっかり寝る
働いている方にありがちですが、睡眠時間を削って勉強する方がよくいらっしゃいます。しかし、睡眠時間を削る勉強はかえって非効率的です。
特に消防設備士乙種6類のように暗記がメインとなる試験では、睡眠はきっちりと確保した方が確実に効果があると言えます。何故なら、記憶は寝ている間に整理され脳に保存されるからです。
記憶には主に短期記憶と長期記憶の2つがあると言われています。一度脳に取り入れたことは短期記憶となり、最終的に長期記憶となって長く記憶に残るのです。そして短期記憶を長期記憶に移行する脳の働きは睡眠時に行われます。つまり、睡眠時間が十分でないと、覚えたことが脳に残りにくくなり、勉強したことが定着しにくくなるのです。
そのため、消防設備士乙種6類の試験勉強は、寝る前にしっかり勉強して夜は早めに寝る方が効率的です。さらに寝る前に日中勉強したことを復習をすれば、より記憶に残りやすいとも言われています。
よって、暗記が重要である消防設備士乙種6類の勉強では、睡眠時間を削って勉強するよりも、寝る前に復習して早めに寝た方がより効率的に勉強を進めることができるでしょう。
参考書を声に出して読む
消防設備士乙種6類に限らずですが、資格の勉強で参考書を使う場合は声に出して読むことをオススメします。何故声に出して参考書を読むことが重要かと言うと、五感を活用させて勉強する方が、脳に記憶が残りやすいからです。
参考書を声に出して読むことで、視覚からの情報だけでなく、耳から声の情報を頭に入れられます。つまり、視覚という感覚だけでなく、聴覚も使って勉強をするということです。
また、ただ読むだけでなく、人に教えるように喋りながら勉強するのもオススメです。人に教えるように声に出すことで、自分が理解できていない、曖昧な理解で済ましていた箇所をより明確に認識できます。それだけでなく、勉強したことを人に教えることで、より学んだことを理解できるようになるでしょう。
なお、最近ではスマートフォンを使ったアプリでも勉強法もありますので、参考書だけではなく両方を使って勉強を進めることも可能です。
通信講座を利用して学習を進める
働いている人などは、どうしても勉強時間を確保するのが難しいという方も多いと思います。そういった方にオススメなのが通信講座を利用した勉強方法です。ここではSATが提供する消防設備士講座を例に紹介します。
SATの消防設備時講座は、動画とテキストの2つを使って学習をします。動画はDVDまたはEラーニング(またはその両方)で学習できます。
Eラーニングとは、PCやスマートフォンなどを使い、オンラインの動画を視聴してで学習する方法です。Eラーニングのメリットはインターネットが接続できる環境であればどこでも勉強ができるという点です。
例えば通勤電車のちょっとした時間にスマートフォンで学習をし、帰宅後に自宅でPCを使い続きから学習といったことも可能です。
またテキストは動画に準拠した形で作成されています。そしてSATのテキストの特徴として全てのページがイラストや図を含めてフルカラーで作成されているという特徴があります。消防設備士の実技試験は図やイラストを見て答える形式の問題が出題されるので、フルカラーのテキストは実技試験対策にもとても有効でしょう。
通信講座は、普段なかなか勉強時間を確保するのが難しい方には特にピッタリな学習方法です。資格の勉強を検討されている方は是非検討をしてみてください。
消防設備士乙種6類の合格率は高くはないが、油断は禁物
今回は、消防設備士乙種6類の合格率や勉強方法についてお伝えしました。
消防設備士乙種6類の合格率は、例年35%〜40%の試験です。難易度はそこまで高くはないですが、合格率だけで見れば決して油断はできない試験であると言えます。いくら消防設備士乙種6類の合格率が他の消防設備士資格の合格率より高いとはいえ、しっかりと勉強をする必要があるでしょう。
しかし、消防設備士乙類6種の試験は、誰でも受験することができます。しっかりと計画を立てて勉強すれば、誰でも十分に合格の見込みがある試験なので、ぜひ挑戦してみて下さい。