職長の再教育(能力向上教育)は、職長として従事された方が「おおむね5年経過」または「機械設備等に大きな変更があったとき」に受講を推奨とされているカリキュラムです。
職長の再教育(能力向上教育)受講の際に特別な資格や経歴は必要ありませんが、職長教育を修了済みの方が対象となります。
この記事では、職長の概要や受講内容をおさらいした後、職長の再教育について解説しています。
目次
そもそも職長とは?現場の指揮監督です
職長とは建設現場などにおいて、労働者を直接指揮監督する者です。法的には労働安全衛生法第60条に基づく職長教育を修了した者が職長に該当します。
安衛法により求められる役割は、以下の6つのポイントにまとめられます。
- 安全衛生管理(Safety)
現場の作業員が安全に作業を進められるように管理する。 - 品質管理(Quality)
質の良い物を作るために、作業成果の確認や作業員に対する指導を行う。 - 工程管理(Delivery)
全行程を把握したうえで適切な人員配置を行い、効率よく作業が進むように管理をする。 - 原価管理(Cost)
作業員の作業管理を行う中で、技術による成果のばらつきや不必要なコストが発生しないように管理を行う。 - 環境管理(Environment)
現場で発生する有害な副産物や不要物を適正に処理し、周囲の環境に配慮する。 - 人間関係管理(Man)
作業員の性格や体調を常に把握して適切な人員配置を行うほか、作業が円滑に進むように管理・調節を行う。
SATの職長・安全衛生責任者教育|職長教育は
WEBでいつでもどこでも受講可能!
- スマホまたはPCがあればどこでもかんたんに受講ができる!
- 労働局確認済み!端末のカメラで受講状況をしっかり担保!
- 修了証はスマホアプリで即日自動発行!修了後すぐに受け取れます。
※プラスチックカードの修了証をお求めの方は、5営業日以内に修了証を発送いたします。
\ 詳しくはこちらをチェック /
職長教育を受講するにあたって
職長教育は、労働者の安全を確保するために必要な知識・作業方法について学ぶ講習です。
職長は、労働者に対して教育・指導を行って事業所の安全衛生環境を整える役割を担います。そのため、受講を通して職長として必要な知識を身につけましょう。
職長教育の講習内容
職長になるために特別な資格は必要ありませんが、職長教育を受講して修了しなければいけません。なお、職長教育の受講の際に学歴や職歴といった受講資格は、特に設けられてありません。
また、建設関係でさまざまな職種が混在する作業場においては、職長教育とともに安全衛生責任者に関する教育も受ける必要があります。
職長・安全衛生責任者教育の具体的なカリキュラムは、以下のとおりです。
職長・安全衛生責任者教育 実施内容 | 講習時間 |
---|---|
作業方法の決定及び労働者の配置に関すること | 2時間 |
労働者に対する指導又は監督の方法に関すること | 2.5時間 |
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置等に関すること | 4時間 |
異常時における措置に関すること | 1.5時間 |
その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること | 2時間 |
安全衛生責任者の職務等 | 1時間 |
統括安全衛生管理の進め方 | 1時間 |
合計 | 14時間 |
上記の「安全衛生責任者の職務等」と「統括安全衛生管理の進め方」が安全衛生責任者教育となります。そのほかののカリキュラムは職長教育の範囲です。カリキュラムの中ではディスカッションを行うグループ演習(討議)も実施されます。
なお、テストを設けていない職長教育のカリキュラムもありますが、知識を定着させて業務で活かすために、修了テストを設けている講座を受講するのもよいでしょう。
職長として現場に就くためには職長教育を修了していることが条件ではありますが、実際の現場は常に人・モノ・機材が動いており、危険因子が多く存在しています。
安全で効率のよい作業を進めていくことや、災害への対処、人間関係を調整し指導教育を行うことは職長教育だけでは十分と言えません。
職長として現場を動かしていくには、さまざまな現場を経験していることが最も重要です。
職長教育を受けるメリット
職長教育を受講することで、作業現場の安全衛生環境を整えるために必要な知識を有していることの証明ができます。
取引先から見ても知識・経験を有した技術者に管理を職長を任せたいと思いますよね。 そのため、職長教育を受講して有資格者となることで、自分自身の付加価値を高められるでしょう。
職長として必要な能力
職長は、部下となる作業員を適切かつ安全に指揮するための知識やスキルが必要です。
作業員の指導や危険予知運動(KY活動)を実践するのも必要な能力ですが、1番求められる能力は「コミュニケーション能力」です。
職場における良好な人間関係の形成だけでなく、スムーズに仕事を進めるためにも作業員とのコミュニケーションは欠かせません。良いことや悪いことを直接本人に伝え、作業員の能力を最大限に活かすことも職長を務めるうえで、必要な能力と言えるでしょう。
職長教育の有効期限について
職長教育自体に有効期限や更新時期が義務付けられてはいません。 ただし、安全衛生教育棟推進網では、「おおむね5年ごと」もしくは「機械設備等に大きな変更があったとき」に職長再教育の実施が推奨されています。
またこれまでは、建設業にて職長・安全衛生責任者の能力向上を目的とした再教育が実施されていましたが、2020年3月30日に厚生労働省から発表された通達により、 製造業においても再教育の実施が推進されています。
そのため、製造業においても技術の変化や現場環境の変化にあわせて、労働災害防止を目的とした職長の能力向上再教育を実施しましょう。
職長の再教育
職長の再教育は、職長の能力向上を目的として実施される講習です。
職長とあわせて取得されることの多い安全衛生責任者とセットで、知識・役割の再確認や新しい内容について学習します。 カリキュラムは下記のとおりです。
No. | 講習科目 | 実施内容 |
---|---|---|
1 | 職長及び安全衛生責任者として行うべき労働災害防止に関すること(120分) | ・建設業における労働災害発生状況 ・労働災害の仕組みと発生した場合の対応 ・作業方法の決定及び労働者の配置 ・作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法 ・異常時等における措置 ・安全施工サイクルによる安全衛生活動 ・職長等及び安全衛生責任者の役割 |
2 | 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること(60分) | ・労働者に対する指導、監督等の方法 ・効果的な指導方法 ・伝達力の向上 |
3 | 危険性又は有害性等の調査等に関すること(30分) | ・危険性又は有害性等の調査の方法 ・設備、作業等の具体的な改善の方法 |
4 | グループ討議(130分) | ・作業事例研究 ・危険予知活動 ・危険性又は有害性等の調査及び結果に基づき講ずる措置 ※上記項目のうち1つ以上を実施 |
この他にも再教育を行う具体的なポイントについては、厚生労働省が記述する「建設業における職長等及び安全衛生責任者の再教育」をご覧ください。
- 職長としてのレベルアップを図れる
- 現場での経験を踏まえて新たな知識を蓄えられる
- 現場の機械設備変更などに伴う安全意識向上を図れる
また、職長の再教育においても有効期限が定められているわけではありません。
ただしこれまで解説した通りおおむね5年ごとの実施が推奨されているため、事業者は忘れないように実施しましょう。
SATの【職長再教育】職長教育の能力向上は
WEBでいつでもどこでも受講可能!
- スマホまたはPCがあればどこでもかんたんに受講ができる!
- 労働局確認済み!端末のカメラで受講状況をしっかり担保!
- 修了証はスマホアプリで即日自動発行!修了後すぐに受け取れます。
※プラスチックカードの修了証をお求めの方は、5営業日以内に修了証を発送いたします。
\ 詳しくはこちらをチェック /
職長教育や再教育(能力向上教育)の重要性
職長は、作業員の労働災害を防止するための安全を確保したり、作業の段取りを説明したりなど大切な役割を担う仕事です。 そのため、職長教育や職長の能力向上を目的とした再教育はとても重要性の高い講習といえます。
職長教育・再教育ともに有効期限は決められていませんが、おおむね5年ごとの講習の実施が推奨されているため、 現場での労働災害を防止するためにも必ず受講しましょう。
通信講座のSATでは職長教育、再教育(能力向上教育)のどちらの講座も開講しています。グループ討議を含めて完全オンラインの講座となっています。
実際に受講された方の評判を確認することもできるので、受講希望の方はぜひご利用ください。
職長教育の再教育の受講時期や受けるメリットを確認しておこう
職長教育の期限はある?
職長教育は有効期限が具体的に定められていません。
ただし、「おおむね5年ごと」もしくは「機械設備等に大きな変更があったとき」に職長再教育の実施が推奨されています。 そのため、職長の能力向上を目的に再教育を実施しましょう。
職長教育の再教育とは?
職長の再教育は、職長の能力向上を目的として実施される講習です。
職長とあわせて取得されることの多い安全衛生責任者とセットで、知識・役割の再確認や新しい内容について学習します。
職長教育、再教育を受講するメリットは?
・作業現場の安全衛生環境を整えるために必要な知識を有していることが証明できる。
・職長としてのレベルアップを図れる。
・現場での経験を踏まえて新たな知識を蓄えられる。
・現場の機械設備変更などに伴う安全意識向上を図れる。
などのメリットがあります。